概要
基本情報
2015年 アメリカ
監督:アダム・マッケイ(Adam McKay)
キャスト:
クリスチャン・ベール(Christian Bale)/ マイケル・バーリ
スティーヴ・カレル(Steve Carell)/ マーク・バウム
ライアン・ゴズリング(Ryan Gosling)/ ジャレッド・ベネット
ブラッド・ピット(Brad Pitt)/ ベン・リカート
ジョン・マガロ(John Magaro)/ チャーリー・ゲラー
フィン・ウィットロック(Finn Wittrock)/ ジェイミー・シプリー
ハミッシュ・リンクレイター(Hamish Linklater)/ ポーター・コリンズ
レイフ・スポール(Rafe Spall)/ ダニー・モーゼス
ジェレミー・ストロング(Jeremy Strong)/ ヴィニー・ダニエル
アデペロ・オデュイエ(Adepero Oduye)/ キャシー・タオ
マリサ・トメイ(Marisa Tomei)/ シンシア・バウム
メリッサ・レオ(Melissa Leo)/ ジョージア・ヘイル
スタンリー・ワン(Stanley Wong)/ テッド・ジャン
ジェフリー・グリフィン(Jeffry G)/ クリス
バイロン・マン(Byron Mann)/ Mr.チャウ
トレイシー・レッツ(Tracy Letts)/ ローレンス・フィールズ
カレン・ギラン(Karen Gillan)/ イーヴィ
マックス・グリーンフィールド(Max Greenfield)/ 住宅ローンブローカー
ビリー・マグヌッセン(Billy Magnussen)/ 住宅ローンブローカー
マーゴット・ロビー(Margot Robbie)/ 本人役
セレーナ・ゴメス(Selena Gomez)/ 本人役
リチャード・セイラー(Richard Thaler)/ 本人役
アンソニー・ボーディン(Anthony Bourdain)/ 本人役
解説
リーマンショック以前に経済破綻の可能性に気付いた金融マンたちの実話を、クリスチャン・ベイルやブラッド・ピットといった豪華キャストで描く社会派ドラ マ。サブプライムローンのリスクを察知した個性的な金融トレーダーらが、ウォール街を出し抜こうと図るさまを映し出す。クリスチャンとブラッドに加え、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリングも出演。『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』などのアダム・マッケイがメガホンを取る。痛快なストーリーと、ハリウッドを代表する4人の男優の競演が見どころ。
あらすじ
2005年のアメリカ。金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベイル)は、サブプライムローンの危機を指摘するもウォール街では一笑を買ってしまい、 「クレジット・デフォルト・スワップ」という金融取引で出し抜いてやろうと考える。同じころ、銀行家ジャレド(ライアン・ゴズリング)がマイケルの戦略を知り、ヘッジファンドマネージャーのマーク(スティーヴ・カレル)、伝説の銀行家ベン(ブラッド・ピット)らを巻き込み……。
批評と受賞歴
受賞
ロサンゼルス映画批評家協会賞:編集賞
トロント映画批評家協会賞:脚本賞
AFIアワード:映画部門
アメリカ製作者組合賞:映画部門
英国アカデミー賞:脚色賞
アメリカ脚本家組合賞:脚色賞
USCスクリプター賞:映画部門
サテライト賞:助演男優賞(クリスチャン・ベール)
アカデミー賞:脚色賞
エンパイア賞:脚本賞
ノミネート
ゴールデングローブ賞:作品賞、主演男優賞(クリスチャン・ベール、スティーヴ・カレル)、脚本賞
全米映画俳優組合賞:助演男優賞(クリスチャン・ベール)、キャスト賞
サテライト賞:作品賞
アカデミー賞:作品賞、監督賞、助演男優賞(クリスチャン・ベール)、編集賞
批評
・Rotten Tomatoes:88%、7.8 / 10
・Metacritic:81 / 100
・Roger ebert:3.5 / 4
はじめに
これは観るべき。
テイスト的には ウルフオブウォールストリート(記事へ)。だからウルフオブウォールストリート好きな人は本作も好きだと思う。これから観る方は1点注意。
ぱっと見この画像見ると、「4人が手を組んでなんかすごい計画でお金がっつり稼いじゃいます、鮮やかに、すっきりと。」って見えてくるけど、
全然そんな映画ではない。
むしろもっとシリアスにきっちりと、2008年の金融危機を描いている。
あの世界をどん底に落とし込んだ世界金融危機が起こるまでの3年間くらいを描く。あの金融危機はなぜ起こったか、それまでどんな状態だったか、いち早く経済が破綻することを見抜いた人たちを通して説明していく。
専門用語もがんがん出てきて、業界に関わりがない場合は、結構、頭をフル回転させて観る必要がある。でも諦めるな。というかその 複雑さ がこの映画のポイントでもある。
金融って難しいじゃん。難しいからさ、業界の人に説明されたところで、は?ってなることもあるじゃん。でさ、一回で分からないと、もう考えるの面倒になるじゃん。
そこを狙ってるわけだ。
「よくわからなさ」を利用して、御託並べて、叩き込んで、あぁ、よくわからないけど儲かるならいっか。ってなってしまうと。
そういうことをやっていた人たちは結局あの世界金融危機の後ものうのうと普通に暮らしているわけですよ。そして反省せずに同じような商品をまた売っているわけですよ。
それをね。この監督はコメディチックにぶった切っている。その複雑さを頑張って分かりやすく説明しようとしてくれている監督。コメディで。いやありがたい。
すごいシリアスな内容なんだけどね、そこはさすがコメディを得意としているだけあって、ポップに描いてくれている。
観やすい。
ということで、小ネタはさみつつ参ります。
原作:マイケル・ルイス(Michael Lewis)
原作はマイケルルイスの 「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち(The Big Short: Inside the Doomsday Machine.)」。ちなみにマイケル・ルイスは「マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男」も書いた人。ブラピとジョナヒルで映画化したよね。これもブラピが製作をやっている。
「short」っていうのは、取引の用語で、将来的に値下がりすることに投資して差益をとるやり方。逆はロング。
監督:アダム・マッケイ(Adam McKay)
もともとはサタデーナイトライブとかのライターをやってた人。その時から仲の良いウィル・フェレルとよくコメディをやっている。でも今回は結構真面目に金融のこと描いてる。内容は。
って言ってもその伝え方は 完全にコメディ。なんとか分かりやすく、お堅くならないようにって工夫がみてとれる。メタな感じで観客に話しかけてくるところとか、話の途中で マーゴットロビーが風呂入りながら説明してくれるところとか。
アンソニーボーディンって人が説明する部分があるんだけど、このアンソニーボーディンって人、シェフをやってて、レストランの裏側を書いた本が大ヒットになった。この書いた本ってのが暴露本で、実際に行われていた食材の使い回しとか、そういう内容だったみたい。
残り物を新しい料理に混ぜて新規商品としてお客に出す。みたいな比喩での説明をこの人にやらせるってところがなんとも面白い。
とりあえず1曲。
Led Zeppelin / When the Levee Breaks 堤防が決壊するとき
タイトル 華麗なる大逆転
このタイトルは本当に詐欺っぽい。鮮やかな感じでてるもんね。全くそんなことないのに。クリスチャンベール演じるマイケルバーリが正しかったわけだけど、世界がどん底に落ちたことには変わりないし、予想が当たったところで世の中が良い方向にいくわけでもない。
結局、
問題は全然解決してない。
そこがね。この作品のいやらしいところだと思う。
クリスチャンベールという男。
天才か。
役作りの天才。
いつも違う一面が観れて面白いです。ありがとうございます。
ちなみに今回彼が着ている服は本物のマイケルバーリ氏のカーゴパンツとT−シャツという噂。あと、ドラムやるシーン、クリスチャンベールが膝悪くしてたらしくて、監督が代役使おうかとおもってたところ、「いや俺がやる」って言って本人がやることになったらしい。
それぞれのモデル
各役にはモデルとなった人物がいるらしい。
マーク・バウム → スティーブ・アイズマン(Steve Eisman)
ジャレッド・ベネット → グレッグ・リップマン(Greg Lippmann)
ベン・リカート → ベン・ホケット(Ben Hockett)
チャーリー・ゲラー → チャーリー・レドリー(Charlie Ledley)
ジェイミー・シプリー → ジェイミー・メイ(Jamie Mai)
とのことです。
ちなみに本物のマイケル・バーリ氏はカメオ出演しているらしい。
ということで
なんだか半端ですが終ります。マイケル・ルイスの マネーボール(記事へ) もぜひ。これも良い。
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