シティ・オブ・ゴッド / Cidade de Deus / City of God

 

映画 City of God Trailer (シティオブゴッド予告編)
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概要

基本情報

2002年 ブラジル
監督:フェルナンド・メイレレス(Fernando Meirelles)
キャスト:
アレシャンドレ・ホドリゲス(Alexandre Rodrigues)/ ブスカペ
レアンドロ・フィルミノ・ダ・オーラ(Leandro Firmino da Hora)/ リトル・ゼ
ドゥグラス・シャヴァ(Douglas Silva)/ リトル・ダイス
ジョナタン・アージンセン(Jonathan Haagensen)/ カベレイラ
フェリピ・アージンセン(Phellipe Haagensen)/ ベネ
セウ・ジョルジ(Seu Jorge)/ マネ
マテウス・ナッチェルガエリ(Matheus Nachtergaele)/ セヌーラ
アリシー・ブラガ(Alice Braga)/ アンジェリカ
ダニエル・ジッテゥ(Daniel Zettel)/ ティアゴ

解説・あらすじ

1960年代後半、ブラジル・リオデジャネイロの貧民街“シティ・オブ・ゴッド”では銃による強盗や殺人が絶え間なく続いていた。そこでは3人のチンピラ少年が幅を利かせている。ギャングに憧れる幼い少年リトル・ダイスは彼らとともにモーテル襲撃に加わり、そこで初めての人殺しを経験すると、そのまま行方をくらました。一方、3人組の一人を兄に持つ少年ブスカペは事件現場で取材記者を目にしてカメラマンを夢見るようになる。70年代、名をリトル・ゼと改めた少年リトル・ダイスは、“リオ最強のワル”となって街に舞い戻ってきた…。

批評と受賞歴

2002年カンヌ国際映画祭正式出品作品

受賞

英国アカデミー賞:編集賞 シカゴ映画批評家協会賞:外国語映画賞 ラスヴェガス映画批評家協会賞:外国語映画賞 ニューヨーク映画批評家協会賞:外国語映画賞 その他多数。

ノミネート

アカデミー賞:監督賞、撮影賞、脚色賞、編集賞 英国アカデミー賞:外国語作品賞 ゴールデングローブ賞:外国語映画賞 その他多数。

批評

  • Rotten Tomatoes:90%
  • Roger Ebert:4 / 4

 

観よ

cityofgod01.jpg

ふむふむふむ。

これは

観よ。

さすが話題になっただけはある。すごい面白い。あらすじ見るとなんだか重そうな気配がぷんぷんするけど、テンポが良くて飽きることがない。

なかなかエグい現実が描き出されるわけだけど、良くも悪くも映画的(娯楽的)な映像の楽しさが本作にはある。

神の街に絡む彼らの人生を垣間見る。

Roger Ebert ではスコセッシ作品のグッドフェローズとギャングオブニューヨーク(記事へ)を引き合いに出してた。なので、その辺が好きな人にはハマるかもしれません。

 

 

ノンフィクション原作

原作はパウロ・リンス(Paulo Lins)の1997年の同名ノンフィクション小説。

物語の舞台

「ノンフィクション」を一応おさらい。

史実や記録に基づいた文章や映像などの創作作品。(wikipediaより)

この小説、実際にブラジルに存在するファヴェーラ(favela)と呼ばれるスラム街、本作ではリオデジャネイロ郊外の「神の街(Cidade de Deus)」を舞台にしている。ちなみに Cidade de Deus は「シダージ・ジ・デウス」って読むらしい。

そこで描かれる強盗や麻薬ディーラー、ギャングの様子は、実際にその街で起こっている出来事。

子供達が銃を持ち、人を殺める。その逆も然り。いつやられるか分からない。

冒頭からそれを見せつけられる。鳥が逃げてそれを追いかける若い人たち。そして自然と取り出す銃。こんなに馴染み深いものだとは。日本人の感覚からしたら全く分からない。

パウロ・リンスとブスカペとウィルソン・ロドリゲス

最後にさらっと、ウィルソンロドリゲスって名前が出てくる。思うよね、誰だよって。本作はあくまでも “実話を基にした” 物語。原作者のパウロリンス曰く、ブスカペのキャラクターは神の街で育った自分自身(パウロリンス)と、写真家を目指していた彼の友達を合わせて作り上げたとのこと。

モデルとなった人物たち

あんまり情報がなくて真偽のほどはいまいち自信がないけども、最後のエンドクレジットの部分で主要キャストの写真の他に「+α」で写真がくっついている人たちがいた。さらにノックアウトネッド(マネ)の本物?のニュース映像が添えられている。

リトルゼ

cityofgod_lilze.png

cityofgod_dadinho.png

ベネ

cityofgod_bene.png

インタビュー映像

Knockout Ned Interview

あと、必死にネットを探した結果、こんなん落ちてた。

リトルゼ

lilze01.jpg

キャロットとリトルゼ

carrot_lilze.jpg

本物かどうかは知らない。ポルトガル語も読めないし。

 

taglines

キャッチフレーズ的なもの。

“Fight and you’ll never survive…Run and you’ll never escape”

戦わないと生き残れない、走らないと逃げられない。

“If you run, the beast will get you. If you stay, the beast will eat you 15 miles from paradise…one man will do anything to tell the world everything. Based on a true story. If you run it will get you. If you stay it will eat you.”

 

キャスト陣

よりリアルさを追求するために監督がしたこと。それは、ほぼ現地(ファヴェーラ)の人を起用すること。

地方紙で募集をかけ、2000人が集まる。そこから演技訓練?(actor’s workshop)を数ヶ月やって200人まで絞る。で、なんやかんやで主要キャストを選定。

結構アドリブを取り入れつつ撮影。本作シティオブゴッドを世に出す前に予行練習的に短編映画を撮ってもいる。

レアンドロ・フィルミノ・ダ・オーラ

リトルゼを演じたレアンドロ・フィルミノ・ダ・オーラ氏は、実際の性格はリトルゼと正反対らしく、心を痛めながら演技をしていた、っていう情報もあるようだ。

セウジョルジ

本作見ながら、なんか顔をどっかで見たことあるようなないような、って思ってた。で、本人の名前見て思い出した。ウェスアンダーソンのライフアクアティック(記事へ)に出演してた。

アリシー・ブラガ

本作で長編映画デビューしたアリシー・ブラガ。この後にはアイアムレジェンドとかにも出演した。

 

エレファント的な何か

なんとなくだけど、エレファント(記事へ)を思い出した。

  • 事実に基づいた作品
  • 現地の素人を起用してアドリブ使ってリアル感を出す
  • 一応主人公を置きつつも群像劇にしている
  • カンヌ国際映画祭関連

ま、言うてもこれだけなんだけど。

 

重要なラストシーン

これ以下ネタバレありです、ご注意を。

 

 

 

 

 

ラストのシークエンスは冒頭の映像からの続きになる。

つまり「 最初に戻る」ということ。

約2時間くらいかけて彼らの人生を見てきたわけだけど、結局は、

何にも変わってない。

悲しいけど。リトルダイスと呼ばれていた頃、街で有名だった3人のギャングの内、ブスカペの兄を殺め、(戻ってきて)神の街のボスになったリトルゼ。

でもちょっとスキを見せた瞬間に、さらに若い世代に座を奪われる。若い世代が上の世代を暴力でやっつけて権力を手にいれる。暴力をなくすための、正義のはずの警察も裏では不正を行う。

この流れが消えない。消える気配もない。

最後にリトルゼをやっつけた彼らの内何人かも、さらに若い世代にやられる日がくるんだろう、きっと。そのスパイラルが実情である。

cityofgod02.jpg

 

ということで

一度はぜひご覧あれ、シティオブゴッド。

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