デス・プルーフ in グラインドハウス / Death Proof

ロバートロドリゲスの「プラネットテラー」とクエンティンタランティーノの「デスプルーフ」の短編2本プラスαがセットになっているグラインドハウス。短編2本は拡張されて、それぞれバラでも上映されている。その内今回はタランティーノのデスプルーフの方について。

「グラインドハウス」全体に関してはこちらから。

グラインドハウス / Grindhouse
概要 基本情報 2007年 アメリカ 監督: ロバート・ロドリゲス(Robert Rodriguez) クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino) ロブ・ゾンビ(Rob Zombie) エドガー・ラ...

さすがタランティーノ、なんだか面白い、と思わせてくれる。タランティーノ作品らしく、他作品へのオマージュやタランティーノのユニバースのキャラクターが各所に込められていたり、会話の感じ(特に女子トーク)だったり、そういう視点で楽しめるとなお良し。

タランティーノのユニバース関連だと全部並べてたらキリがなさそうだけど、好きな人はぜひ楽しんでください。ただ、タランティーノ作品にはお馴染みの時系列を崩す感じ、フラッシュバックがないです。

ほんのりネタバレしつつ参ります。

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概要

基本情報

2007年 アメリカ

監督:クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)

脚本:クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)

キャスト:

カート・ラッセル(Kurt Russell)/ スタントマン・マイク

ヴァネッサ・フェルリト(Vanessa Ferlito)/ アーリーン
シドニー・ターミア・ポワチエ(Sydney Tamiia Poitier)/ ジャングル・ジュリア
ジョーダン・ラッド(Jordan Ladd)/ シャナ・バナナ
ローズ・マッゴーワン(Rose McGowan)/ パム
クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)/ ウォーレン
ロザリオ・ドーソン(Rosario Dawson)/ アバナシー
ゾーイ・ベル(Zoë Bell)/ 本人役
トレイシー・トムズ(Tracie Thoms)/ キム
メアリー・エリザベス・ウィンステッド(Mary Elizabeth Winstead)/ リー

解説・あらすじ

映画オタクとして知られるクエンティン・タランティーノ監督が、リスペクトする1970年代から80年代のB級ホラーにオマージュを捧げたエキセントリック・ムービー。グラインドハウスとは、低予算のB級映画ばかりを2、3本立てで上映する映画館の総称で、グラインドハウス映画特有の傷やブレ、リールのダブりもあえて再現した。カート・ラッセルふんする連続殺人鬼と、『キル・ビル』でユマ・サーマンのスタントを務めたゾーイ・ベルが繰り広げるカー・チェイスは迫力満点。スゴ腕スタントマンのマイク(カート・ラッセル)は、愛車“デス・プルーフ”に乗り、美女をナンパしては死のドライブに誘っていた。ある日マイクは、テネシー州で豪快なスタントライドを楽しむ3人の女性たちに目をつける。いきなり車をぶつけ、しつこく追い回すマイクにキレたゾーイ(ゾーイ・ベル)たちは、決死の猛反撃に挑む。

批評と受賞歴

6 nominations.

 

観るべきところは

さすがタランティーノとは言っても過度な期待はしない方が良いかもしれない。もともとロバートロドリゲスの短編と数本のフェイク予告がセットになって1つの作品となるグラインドハウス。その短編を単体上映用に拡張したのが本作。そんな元々のコンセプトもあるし、良くも悪くもB級感。(クオリティはおいといて。)

そんな中何を見れば良いかと言うと、女の子とカーチェイスと、カートラッセルと、、

女の子たち。

女の子がいっぱい。意外とこれだけで見る価値がある。いやいや、と思う人はカートラッセルに注目。メインだから観ざるを得ないけど。

前半、こわいカートラッセル、

後半、いじめられるカートラッセル。

前半はとても僕には理解できない常軌を逸した性癖をお持ちだということをビシビシ伝えられ、そんな彼のいつものノリで後半に突入すると、、というこのギャップにやられつつ、最後のカタルシスをご堪能下さい。

 

カーチェイス、そしてスタントマン

もう1つの見所はカーチェイス。タイトルにもなっているデスプルーフってのは、防死仕様ということ。タランティーノがスタントマンの使う「デスプルーフ」の車に興味があったんだと。そんな車なもんだから相手も容赦ない。

それを引き立てるのはもちろん、スタントウーマン

Stuntman Mike

ってすごく言いたくなるのは僕だけかもしれないっていうのは置いといて、カートラッセルがスタントマン役なのに対して、反撃に出るのはゾーイベルという本物のスタントウーマン。

ゾーイベルは、キルビルのユマサーマンのスタントとかをやっていて、本作では本人役で出演。彼女は最初、自分はカメオ出演くらいの立ち位置かなーって思っていたらしいけど、ポスター見てびっくり。そこでようやく役の大きさに気がついたらしい。

 

グラインドハウス的な質感を楽しむ

プラネットテラーの方もそうだけど、70年代のエクスプロイテーション映画の質感を出すために意図的にダメージを与えたりしている。

デスプルーフの方で言えば、特徴的な1つとしてタイトルのシーン。グラインドハウス全盛期はタイトルが付け直されたりといった監督の意図しないところで再編集がされていた(?)ようで、本作のタイトルでも、その感じを再現して一瞬見ることができる。

元々のタイトルは “THUNDERBOLT” だったというネタが入れられている。

 

missing reel を楽しむ

僕が本作を観たのはこの前で、NETFLIXで鑑賞をしている。その中で、ラップダンスのシーンがあったんだけど、こちらは単体上映された時は入っておらず、”missing reel” として拡張版に入っていたものらしい。

missing reelってなんだよ、って話だけど、当時はリールが紛失することもたまにあったみたいで、なくなった分がごっそり抜けていると。プラネットテラーの方を見ていれば、その演出もあるのでそちらの方がイメージがつくかもしれない。とは言っても2,30分も抜け落ちることはそんなになかったようだけど。

では、ラップダンス、存分にお楽しみください

全然、うん。全然、ループ再生で良い。

ちなみにここで使われている、Down in Mexico という曲は、The Coasters の1956年の曲だけど、タランティーノがここで使用したバージョンは1973年に再レコーディングされたもので、レアな(?)バージョンらしい。

動画ついでにこちらも。女の子が車の中でノリノリで聞いていた曲。

Hold Tight – Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich

 

ということで

さて、楽しくなってきたところで、最高のB級映画をご堪能ください。

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