ヘイトフル・エイト / The Hateful Eight

ヘイトフル・エイト 本予告

上映時間167分か、なげーな。

とか時間云々を言ってる場合ではない。これは面白い

なんか前半ダラダラしてるなー、なんて批判がちらほらあるようだけど、関係ない。むしろ、きっちりとセッティングしているということ。後半の盛り上がりのためにそれを楽しめなさそうなら90分くらいのクソみたいな映画をおすすめします。

アカデミーには3部門ノミネート、その内エンニオモリコーネが作曲賞を受賞。なので、音楽の使われ方にぜひ注目して観るのが良いかと。それから、メインキャストの内唯一の女性のジェニファージェイソンリーが助演女優賞ノミネートされている程、すごい演技。

密室の中、一触即発の中で繰り広げられるタランティーノらしい殺人劇。血がいっぱい出るのでバイオレンスが苦手な方はご注意を。何よりもやっぱりタランティーノ作品はものすごいかっこいい。もう、それだけで見る価値がありすぎる。

今回はネタバレなしで参ります。

 

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概要

基本情報

2015年 アメリカ

監督:クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)

キャスト:

サミュエル・L・ジャクソン(Samuel L. Jackson)/ マーキス・ウォーレン

カート・ラッセル(Kurt Russell)/ ジョン・ルース

ジェニファー・ジェイソン・リー(Jennifer Jason Leigh)/ デイジー・ドメルグ

ウォルトン・ゴギンズ(Walton Goggins)/ クリス・マニックス

デミアン・ビチル(Demián Bichir)/ ボブ

ティム・ロス(Tim Roth)/ オズワルド・モブレー

マイケル・マドセン(Michael Madsen)/ ジョー・ゲージ

ブルース・ダーン(Bruce Dern)/ サンディ・スミザーズ

ジェームズ・パークス(James Parks)/ O.B.ジャクソン

解説

クエンティン・タランティーノが放つ、ウエスタン仕立てのミステリー。男女8人が閉じ込められた、雪嵐の山小屋で起きた殺人事件の意外な真相を映し出す。ベテランのサミュエル・L・ジャクソンをはじめ、『デス・プルーフ in グラインドハウス』などのカート・ラッセル、『ミセス・パーカー/ジャズエイジの華』などのジェニファー・ジェイソン・リーらが顔をそろえる。彼らが織り成すストーリー展開はもちろん、タランティーノ監督が仕掛ける謎と伏線が張り巡らされた物語にくぎ付け。

あらすじ

雪が降りしきる中で馬を失った賞金稼ぎマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)は、同じ稼業であるジョン(カート・ラッセル)と彼が捕らえたデイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)を乗せた駅馬車に同乗する。途中で保安官を名乗るクリス(ウォルトン・ゴギンズ)を拾った馬車は、猛吹雪から避難するためにミニーの紳士洋品店へ。メキシコ人の店番ボブ(デミアン・ビチル)や怪しげな絞首刑執行人オズワルド(ティム・ロス)などの存在にジョンが強い警戒心を抱く中で、事件が起こる。

批評と受賞歴

Won 1 Oscar. Another 39 wins & 113 nominations.

 

密室殺人ミステリー??

あらすじとかでは、ざっくりミステリーと要約されていることもある。確かに犯人探しをするくだりはあるものの、そこまでミステリーに期待しない方が良いかも。

一応、大枠のジャンルとしては西部劇。タランティーノの前作ジャンゴも西部劇だったから、続編かも?みたいな憶測もあったけど、続編ではないからそのあたりは気にしなくてOK。

ちょっとここで閉じ込められる人たちのキャラ紹介を。この動画でご確認ください。

YouTube

うん、かっこいいね

ミステリー感よりも、雪山の中で閉じ込められているこの人たちの人間模様を楽しむ。そこで重要になるのは、次の

 

キーワードは人種差別

一貫して根底にあるのは、南北戦争の終結後も後を引く北と南の確執。序章となる密室の現場になるミニーのお店へ行くまでも、白人黒人の立場の違い、北軍南軍の意見の違いが会話を通して描かれる。

お店に着いてからも、部屋の中を物理的な場所で北軍南軍で分けたりとピリピリムードが漂う。その辺の前触れみたいなものの時点で結構ハラハラさせる。

本作がノミネートされた88回アカデミー賞では、特に人種差別についての批判が集まった年でもあるし、公開された2015年は、ブラックライヴズマターが大々的な運動に発展してムーブメントになった年でもある。

タランティーノ自身、ブラックライヴズマターに参加してコメント出したりしているわけだけど、それがきっかけでボイコットしようなんて動きもあった。逆に言えば、タランティーノが伝えたかったメッセージを強く主張できる形になった気がするけど。

 

誰が善で、誰が悪か

部屋に閉じ込められた人たちを見渡すと、誰1人として善人がいない。何が善で何が悪かの判断基準はひとまず置いといて。各々がそれぞれの立場で、それぞれの過去の経験から主張する意見がある。

劇中のセリフの中で絞首刑執行人のティムロスがこんな旨の内容を言う。

「裁判で裁かれて有罪になって私が刑を執行すれば、それは正義だ。これが、殺された人の家族や友人が絞首刑にするなら、それは西部の正義だ。」

と。

このセリフ、結構重要。作品全体の思想に絡む。どう効いてくるかは話の前後と見終わった後に反芻してみてほしいところ。

ちょっと話は逸れるけど、タランティーノと言えば意味のない会話を盛り込んで、それを観る人は楽しむというお決まりのものがある。でも、今回に関しては、あんまり無駄な描写がなかった気がする。意外と後々効いてくるセリフやシーンが序盤から入っているから、意識してみると良いかも。余談以上です。

 

フィクションが生み出すもの

色んな人の本作の紹介内容でも触れられているように「フィクション」が持つ力というのが大きいポイント。各キャラが語るセリフは、その人が今まで見聞きしてきて感じたことや背景を示して行動にまで反映する。例え嘘だったとしても、その人を突き動かす強い何かを感じ取れるならそれは大きい何かが存在するんだろう、

と適当にそれっぽいことも言いつつ。

最後に僕が個人的に好きなシーンを押し付けて終わります。

 

ギターシーン

チャプター4で、ジェニファージェイソンリー演じるドメルグがギターを弾くシーンがある。手前でドメルグがギターを弾き、後ろの方でも動きがある。ドメルグが振り向く度にそちらににフォーカスが当たり、顔を戻すとまた手前にフォーカスがくる。

そのちょろちょろと気にする感じが心をそわそわさせ、ハラハラさせ、どうなるどうなると、めっちゃ見入る。また歌の内容もリンクさせているから歌を聞きつつ、後ろも気にしつつ、忙しいけど緊張感あるこのシーンはぜひ楽しんで欲しい。

ちなみに使われたギターに関するトリビアもあるので気になる方は調べてみて下さい。すぐ出てくると思います。

 

ということで

時間が長いと言いつつ気づけばすぐ終わっている。終わってからも考えることが出てくるタランティーノ8作目。ぜひ。

カートラッセルと、少し登場したゾーイベルが活躍するタランティーノのデスプルーフ

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