概要
基本情報
2002年 アメリカ
監督:スパイク・ジョーンズ
脚本:
チャーリー・カウフマン
ドナルド・カウフマン
制作:ジョナサン・デミ
キャスト:
ニコラス・ケイジ / チャーリー・カウフマン、ドナルド・カウフマン
メリル・ストリープ / スーザン・オーリアン
ティルダ・スウィントン / ヴァレリー・トーマス
クリス・クーパー / ジョン・ラロシュ
ブライアン・コックス / ロバート・マッキー
マギー・ジレンホール / キャロライン・カニンガム
カーラ・シーモア / アメリア・カヴァン
ロン・リヴィングストン / マーティ・ボーウェン
ジム・ビーヴァー / トニー
ジュディ・グリア / アリス
ダグ・ジョーンズ / オーガスタス・マージェリー
カーティス・ハンソン / スーザンの夫
解説
脚本家チャーリー・カウフマンは「マルコヴィッチの穴」の成功で、一躍次回作を期待される存在となった。そんな彼のもとにある日、仕事の依頼が舞い込んでくる。それは、作家スーザン・オーリアンがフロリダで蘭を不法採集した栽培家ジョン・ラロシュを描いたノンフィクション『蘭に魅せられた男』の脚色。だが、チャーリーはさっそく作業を始めるものの、全然アイデアがまとまらず悶々とした日々が続く。一方、彼とは対照的に陽気な双子の弟ドナルドも脚本家めざして養成セミナーに通い始め、あっという間に脚本家デビューを果たす…。
はじめに
1999年「マルコヴィッチの穴」で、世界に旋風を巻き起こした(と思われる)監督スパイクジョーンズと脚本家チャーリーカウフマンのコンビ。マルコヴィッチの穴と同様、アダプテーションも変わった映画である。変わった映画というか型破りというか奇想天外というか。面白いことには変わりはない。
でもその面白さが何なのかって聞かれるとぱっとは答えられない。なんだろうね、この感じ。
とりあえず言えることは、
彼女が病気になって余命3ヶ月、俺は彼女のために何ができるだろう、余命3ヶ月の私が最後にやりたいことはなんだろう、最後まで愛してくれてありがとう、i love you
とか
ふとしたことがきっかけである女性と関わることになった俺は、いつのまにか犯罪組織へ加担し大事件へと関わることになるのだが、、
とか
すげーでかいよくわからない生物か何かそこらへんのものが急に地球へやってきて暴れてるんだけどやべーよパニックだよこれ。でも自分正義なんで、倒しますね
とか
そんなよくある映画なんてクソだクソ、fxxkって思っている人には一度観てみると良いかもしれない。
若干ネタバレありつつ進みます。ご注意を。
まずは
タイトル「アダプテーション / adaptation」
adaptation、意味は
1 適応。順応。調整。
2 小説・戯曲などを改作すること。脚色。
もうね、ぴったり。この映画観た後はこのタイトル以外考えられないと思う。シンプルだけどね、この単語1つだけで表せられる。SVOCなんていらないいらない、ごちゃごちゃ文にしなくたっていいんだよ。
ちなみにアカデミー脚色賞は小説とか舞台が元ネタになってるものの他に、続編の映画ってだけで脚色賞に分類される。そして75回アカデミーでは、脚色賞に本作品の架空の人物ドナルドカウフマンもノミネートされている。
ストーリー
一言で言えば、チャーリーカウフマンの頭の中を映像化したもの。どーやって脚本書けば良いんだよ、って悩んでる映画。上記の「解説」を読むと解説とあらすじを両方混ざっている。映画自体も現実と空想が入り混じっている。どこまでが本当でどこからが虚構なのか。(役者が演じているからどうこうとかってことは置いといて。)
この辺の入り混じり感が素晴らしい。チャーリーカウフマンは現実に存在して、本当にマルコヴィッチの穴を手がけて一躍有名になり、スーザン・オーリアンの書いた「蘭に魅せられた男」も現実に存在して、その本に描かれている 栽培家ジョン・ラロシュも実在している。
この辺を入れつつ、ドキュメンタリー的な仕上がりになるのかと思いきや、気づけば虚構の世界にいる、いや現実か?
素晴らしい夢うつつな感覚
いや夢うつつはちょっと違うか。なんとも言えないこの感じ。
チャーリー曰く、
ドラッグ、セックス、カーチェイス、銃撃の乱れるこれぞアメリカ映画にはしたくない。
原作者の思いを変えてしまうような脚本 にはしたくない。
とのこと。
脚本セミナー講師曰く、
現実はそんなにつまらないものなのか?
この辺が終盤にかなり活きてくる。結局は、ちょっと拗ねた映画感がある。世間から求められてそうなものを全部詰め込んでみて「これで良いんでしょ?」ってちょっと拗ねながら出してみたチャーリーカウフマンの頭の中の映画。ここにも「アダプテーション」の「適応」の意味が隠されているような気がしてならない。
自分の書きたいものを書くか、売れるものを書くか。クリエイティブな職業の人は悩みどころではあるよね。
あとね、行き詰まるとマスターベーションすんのよ。なんとなく、わからなくもないw すごく悩んでる感で出ていて良いと思います。
キャストとスタッフ
ニコラスケイジ
ニコラスケイジは言わずもがなコッポラ一族の人。ちなみに本名はニコラスキムコッポラ。映画の中では「こんなハゲでデブが。。」みたいな自虐ネタ満載。
メリルストリープ
マイインターン(記事へ)とテイストが似ているプラダを着た悪魔ではゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞してアンハサウェイと共演している。そしてマイインターンに出演したロバートデニーロはメリルストリープのことを「最も息の合う女優」と言っている。
ちなみにデニーロとの共演作は「ディアハンター」「恋に落ちて」「マイルーム」。2013年に「the good house」でまた共演する話があったけどどうなったのかは知らない。
クリスクーパー
本作でアカデミー助演男優賞とゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞。「助演」。この人がいるだけでなんかいい感じになる。
カーティスハンソン
スーザンの夫役。全然出てこないんだけどね。俳優というより、監督とか脚本をメインにやっている。LAコンフィデンシャルでアカデミー脚色賞を受賞した人ですね。あとは8mileとかインハーシューズとか。ただそれを言いたかっただけです。
監督:スパイクジョーンズ
他の監督作品は「マルコヴィッチの穴」以外に「かいじゅうたちのいるところ」「her/世界でひとつの彼女」とか。面白い作品を作るよね。
ちなみにニコラスケイジと同じ血筋のソフィアコッポラと結婚と離婚をしている。ソフィアコッポラがアカデミー脚本賞を受賞した「ロスト・イン・トランスレーション」は、スパイクジョーンズがモデルになっているらしい。
で、もともとはミュージックビデオとか撮ってる人。ってことでいくつかピック。
Fatboy Slim – Weapon of Choice
Daft Punk – Da Funk
bjork – it’s oh so quiet
あとはCMとか ブラピと武蔵丸のコンビ。
ということで
だいぶそれたけど、アダプテーションぜひ!
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