ブレックファスト・クラブ / The Breakfast Club

 

80's Trailers – "The Breakfast Club" (1985)
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概要

基本情報

1985年 アメリカ
監督・脚本・製作:ジョン・ヒューズ(John Hughes)
キャスト:
エミリオ・エステベス(Emilio Estevez)/ アンドリュー・クラーク
モリー・リングウォルド(Molly Ringwald)/ クレア・スタンディッシュ
アンソニー・マイケル・ホール(Anthony Michael Hall)/ ブライアン・ジョンソン
ジャド・ネルソン(Judd Nelson)/ ジョン・ベンダー
アリー・シーディ(Alexandra Elizabeth “Ally” Sheedy)/ アリソン・レイノルズ
ポール・グリーソン(Paul Gleason)/ リチャード・ヴァーノン
ジョン・カペロス(John Kapelos)/ カール

解説・あらすじ

“ノリ”もいいが心に残る青春映画を作るJ・ヒューズ監督が、デビュー作「すてきな片想い」に続いてM・リングウォルドを起用し、その魅力を十二分に引き だして彼女の人気が大ブレイクするキッカケにもなった、いわゆる“ヤッピー映画”の傑作。土曜の休日と言うのに学校に登校させられた高校生5人。彼等はさ まざまな問題を起こした懲罰として自分についての作文を書かされるハメになった問題児ばかりだった。大きな図書館に軟禁状態にされ、何から書いていいのか わからないままだらだらと時間だけ過ぎて行く中、雑談からお互いの身の上話を交わし始めた彼等は次第に心を開かせて行く。

 

青春映画の金字塔

breakfastClub03.jpg

青春映画の金字塔 として今もジョンヒューズ監督とともに神格化されている作品。去年(2015年)は、製作から30周年を迎えて30周年記念HDマスター盤が発売。

金字塔。初めて観た。 確かにすんごい面白かった。 よくある形ではあるけど、ということはこの作品が青春映画の形を作ったということ。なんと偉大なジョンヒューズ監督。

それから校内グループ、校内ヒエラルキー、スクールカースト的なものを描いた最初の作品らしい。「桐島、部活やめるってよ」(記事へ)もそうでした。

日本ではクラスがあるからまだましだけど アメリカはクラスがない(?)から同じような人たちでまとまるしかない、ってどこかで町山さんが言ってた。気がする。

そういえば「野ブタ。をプロデュース」なんかも階級を上げていくストーリーだったとふと思い出した。

その校内で立場の違う5人が1箇所に集められて過ごす1日を切り取った映画なんだけど、最初はお互いの名前もよくわかってない状況から、一緒に過ごしていくうちにお互いのいろんな面を知っていく。

なんという王道ストーリー。

でもそのプロセスとかラストの会話とか、すんごい面白い。これは1回はぜひ見て欲しい。ネタバレありつつ参ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

スクールカースト

一般的に言われているスクールカーストの階級(?)にはいくつかある。ジョックス、クイーンビー、サイドキックス、プリーザー、ワナビー、メッセンジャー、プレップス、スラッカー、フリーク、ギーク、ゴス、ブレイン、被虐者、不良、不思議少女。

と、まぁ色んな種類の人間がいるわけだ。今回登場する階級というかグループは、以下の5グループの人たち。ちなみに劇中で使われている単語で記載している。

brain

ガリ勉。劇中ではブライアン。 階級的には下の人たち。

athlete

ジョックス。劇中ではアンドリュー。スポーツ馬鹿って和訳されてた。スポーツができる男は校内の頂点に立つ。頂点は大抵、校内階級の下の人たちを見下して馬鹿にしていじめたりする。そしてそんな頂点は人気者である。いじめて人気があるってのは全くもって納得がいかないけども。

basket case

不思議少女。劇中ではアリソン。不思議ちゃんって和訳されてた。

自分はアリソンは不思議少女(The Floater)枠に入る、つまり階級の上とか下とか関係なく、階級の中に収まらない枠、って見てたんだけど、この位置をゴスっていう人もいて、そもそもじゃあゴスって何を持って言ってんだよ、って話にもなるんだけど、まぁその辺はいいか。ちょっと一風変わった人くらいにみとけば良いかと。

princess

お姫様。劇中ではクレア。和訳でもお姫様。プリンセスとかクイーンビーとかの立ち位置。女の人の頂点て、チアリーダーのトップとかがやってるイメージだけど。今作ではお嬢様のお姫様のクレア。

criminal

劇中ではジョン。アウトサイダーとかバッドボーイとかそんな感じでくくられる。階層からは外れてマリファナとか吸ってるような人たち。

 

と、まぁこんな全く別の階層の人たちが集まる話です、と。

 

冒頭シーン その1

本当の冒頭、先日亡くなられてしまったデヴィッド・ボウイ(David Bowie)氏の「changes」の歌詞が引用されている。

“…and these children that you spit on, as they try to change their worlds are immune to your consultations.” They’re quite aware of what they’re going through…”

david bowie – changes

冒頭シーン その2

上記の階層の話だけど、これをうまーく紹介しているのが冒頭シーン。土曜日の朝に学校に集まってくる5人を映していくシーケンスが素晴らしい。当人がどんな人物なのか、親とどんな会話をしているのか、どんな関わり方をしているのか、乗っている車、そもそも親に送ってもらっていない、とか。

一連の流れですごくスムーズに描き出している。これは勉強になる。

 

限定された空間

土曜の学校に集まったわけだけど。シーンの大半は図書館の中。登場人物も子供5人+学校の先生、用務員のおじさん、冒頭とラストに親たち。これだけ。余計なものはいらない。

良い味出しているのが用務員のおじさん。実はこの用務員のおじさん、

マンオブザイヤーだったらしい。

“MAN OF THE YEAR” の写真が出てくるシーンがある。

breakfastclub05.png

ということは校内の頂点にいたということ。そして、その元頂点は今は学校の用務員のおじさんになっているという末路。

まぁ、たかが校内のヒエラルキーってことですと。というか社会に出たってそんなヒエラルキーのどこに位置しているか、と、幸せかどうかってのは全く関係がない、ってこと。ふむ。

 

お悩み相談会

みんなでマリファナ吸って楽しんで距離も縮まったところで、終盤、5人が輪になって話すシーン。

それぞれが何でここ(補習)にきたか、とか今の気持ちをぶつけるシーンがある。

個人的には、同じグループじゃなくて いつも一緒にいない人たちだからこそ言えること ってのがあると思うんだよね。人と生きていく上では少なからず最低限の節度というか気遣いというか、そういうのはあると思う。

例えずっと一緒にいて、ずーーーっと自分ばっかりっていうのはね。。それでうまくやっていける関係性も中にはあるとは思うけど。他人全員に対してそれは厳しい。だから、本当に全然関係ない人たちだったら、知られても何て思われてもどうでもいいだろうし、意外と本音が言えたりするのかもしれない。

そしてやっぱり刺さるのはブライアンの質問。

「で、月曜日に会ったらどうする?」

これは。。なかなかえぐいところを突いてくれる。最初はお互いの名前すら知らなかったわけだけど、こうして共通の敵を前に戦って共通の目的を持って行動して、お互いをほんの少し知れたわけだけど、この場では多少のぶつかり合いはありつつも普通に話をしている。

ブライアンからしたらもう友達だって思うよね。でも頂点からしたら、周りから「え、何底辺と話なんかしてんの」的な目で見られるわけである。

もうね、そういうのめんどくさ って思う。思うけど、実社会(学校)では生き残るためにそういう立ち回りが必要なんだろう。誰でも頂点からは落ちたくないだろうしな。うーむ。

 

その後

1日だけを切り取った映画だから、その後、月曜日にはどうなったかまでは描かれない。

あなたは、どう予想しますか。

 

オマージュ

本作ブレックファストクラブに影響を受けているものを2本ほど。

ピッチ・パーフェクト(Pitch Perfect)

ミュージカルコメディ映画。ブレックファストクラブの主題歌「Don’t you(Forget About Me)」の アレンジ(?)の曲を使っている。らしい。というかブレックファストクラブを見ていることが前提で作られてるんじゃないか、って宇多丸さんあたりが言っていた気がする。自分は観てないけど。

ソーシャル・ネットワーク(The Social Network)

自分も大好きなソーシャルネットワーク。「ブレックファストクラブ」というかジョンヒューズ監督に影響を受けている。デヴィッドフィンチャー監督はソーシャル・ネットワークを 「ジョンヒューズが撮った市民ケーン」 と公言している。

 

モリー・リングウォルド

ジョンヒューズ監督のお気に入り、モリーリングウォルド。歳がティーンとは言えなくなってからもジョンヒューズ監督は彼女を使いたがったらしい。そんな彼女は本作のクレア役に入れ込んでいて、脚本読んで、役になりきっていた。

衣装さんが持ってきた衣装に駄目出しして、ラルフローレンの店舗に行ってわざわざブーツを買ってきたらしい。ジョンヒューズ監督が亡くなった時のモリーリングウォルドの言葉。

「あの人はピーターパンだった」

 

小ネタ

小ネタは検索すれば色々出てくる。けど、自分からは本当に関係ないことを言っておこう。Creamの「sunshine of your love」という曲がかかる。このギターリフをサンプリングしたのがRHYMESTERの「ウワサの真相」。そして「ウワサの真相」っていうアルバムの中には 「ブレックファストクラブ」という曲が収録されている。

中学生の頃すんごい聞いてた、ウワサの真相。

Cream – Sunshine of Your Love

Cream – Sunshine Of Your Love (HD)

RHYMESTER feat. F.O.H – ウワサの真相

(PV)RHYMESTER feat. F.O.H – ウワサの真相.mpg

RHYMESTER – ブレックファスト・クラブ

ブレックファスト・クラブ – Rhymester

 

ということで

青春映画の金字塔、ブレックファストクラブでした。

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