ビューティフル・ガールズ / Beautiful Girls

Beautiful Girls | Official Trailer (HD) – Timothy Hutton, Natalie Portman, Uma Thurman | MIRAMAX

なにこれ。

地味に良い映画。

特別期待してなかった分、そして個人的に岐路に立っている今、この映画を見て良かったと思う。派手な出来事は起こらないけど、しんみりと、人生とは、自分とは、選択とは、ということをスッと差し出してくる。と言ってもそこまで説教くさくはないから大丈夫。

映画内で描かれているキャラと同世代、つまり20代後半の男、その機会を逃すな。僕は少しはみ出て手遅れかと思ったけど、十分機能してくれた。

ネタバレありますので気にする方はご注意を。参ります。

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概要

基本情報

1996年 アメリカ

監督:テッド・デミ(Ted Demme)

脚本:スコット・ローゼンバーグ(Scott Rosenberg)

キャスト:
ティモシー・ハットン(Timothy Hutton)/ ウィリー・コンウェイ
マット・ディロン(Matt Dillon)/ トミー・”バードマン”・ローランド
ノア・エメリッヒ(Noah Emmerich)/ マイケル・”モー”・モリス
マックス・パーリック(Max Perlich)/ ケヴ
マイケル・ラパポート(Michael Rapaport)/ ポール・カークウッド
プルイット・テイラー・ヴァンス(Pruitt Taylor Vince)/ スタンリー・”スティンキー”・ウォーマック

アナベス・ギッシュ(Annabeth Gish)/ トレイシー・ストーヴァー
ローレン・ホリー(Lauren Holly)/ ダリアン・スモールズ
ロージー・オドネル(Rosie O’Donnell)/ ジーナ・バリサノ
マーサ・プリンプトン(Martha Plimpton)/ ジャン
ナタリー・ポートマン(Natalie Portman)/ マーティ
ミラ・ソルヴィノ(Mira Sorvino)/ シャロン・キャシディ
ユマ・サーマン(Uma Thurman)/ アンデラ
アン・ボビー(Anne Bobby)/ サラ・モリス

リチャード・ブライト(Richard Bright)/ ディック・コンウェイ
デヴィッド・アークエット(David Arquette)/ ボビー・コンウェイ
サム・ロバーズ(Sam Robards)/ スティーヴ・ロスモア
ジョン・キャロル・リンチ(John Carroll Lynch)/ フランク・ウォーマック

解説

同窓会に出席するため、ニューヨークに暮らすピアニストのウィリーは、故郷のナイトリッジに久しぶりに戻ってきた。彼はそこで懐かしい幼馴染みたちに出会い、そして彼らもまた、恋人とのことで悩んでいることを知る。彼はある日、隣に住んでいた13歳の少女マーティと知り合った。やがて彼女と話しているうちに、自分が真剣に恋していると気がつくのだが……。二十代後半の男達を主人公に、それぞれが抱える悩みを描き出した人間ドラマ。

受賞歴

1 win & 3 nominations.

 

いつまでたっても女性に振り回される

本作のタイトル「ビューティフルガールズ」。実際にメインで描かれるのは男たちの視点。その男たちを悩ませ、惑わせ、立ち上がらせ、励まし、奮起させ、決断させるのはビューティフルガールズ。

ふとケツメのあの曲を思い出した。No Lady No life。「やっぱLadyで変わるのが人生って囁いてまた感じる」

YouTubeにはなかった。から代わりにショーンキングストンでも貼っておくか。

Sean Kingston – Beautiful Girls

Sean Kingston – Beautiful Girls

偉大。女性偉大。

だからこそポールのようにモデルを崇拝して完璧な理想の女性が現れるのを待ったり、トミーのように過去に囚われて目の前の幸せに気づかなかったり、ウィリーのように隣のロリータに希望を見出したり。客観的に見ると、違うなーって分かるはずなのに、どこかで「まだこんなもんじゃない」って思っているのかもしれない。

Pete Droge & the Sinners – Beautiful girl

Pete Droge & the Sinners – Beautiful girl

 

目の前の幸せに気づけるか

語れるほど多くの、語れるほど濃密な恋愛をしてきたわけではないけども、結婚を考えたことはある。それは世間のなんとなくの流れと、相手からのプレッシャーが発進になっていて付和雷同的に他人に身を委ねていた。その結果僕は現在30歳、未婚のまま。結婚が嫌だったわけではないけど、どうも決断できなかった。みんなどうやって最終判断を下しているんだろうってずっと考えていた。というか今でも考えているんだけど、本作を観て少しヒントを得られた。

妥協。

こう言ってしまうとネガティブな考え方に聞こえるけど

歩み寄り。

こう書くと少し前向きな考え方に聞こえる。終盤のユマサーマンのセリフで、「他の誰かからしたら、恋人を独占している自分に嫉妬している人がいるかもしれない」みたいなセリフがあった。ときめきは薄れていくけど、魅力がなくなったわけではない。ただ慣れてきてしまっているだけなのかもしれない。案外近くに幸せはある、とどこかで聞いたことがあるような内容だけど、すごく真理っぽい。

理想を追い求めてるのは悪いことではないと思うけど、現実と向き合って地に足つけた考え方をしないと、それこそ全てのチャンスがなくなっていく。自分が80歳くらいになって、「全て整った」と言って子供を作ろうとしても遅い。どこかで運命の人がまだ他にいるんじゃないかと思って、その理想が高ければ高いほど、現実から逃げたくなる。うむ。。

スーパーモデルに夢見ている人は、説教されるが良い。このシーンは必見すぎる。

Beautiful Girls – Rosie O'Donnell

ちなみにポールがスーパーモデルについて熱く語っていたセリフは、テイキング・バック・サンデイ(Taking Back Sunday)の “Great Romances Of The 20th Century” のイントロ部分で使われていたりする。

Great Romances Of The 20th Century (Album Version With Intro) – Taking Back Sunday

 

ウィリーとロリータ

本作のMVPが誰かと言われれば、きっとマーティを演じたナタリーポートマンをあげる人が多いと思う。自らを “an old soul” と称す13歳ながらも精神年齢高めの隣人ロリータの最高峰。ウィリーが恋い焦がれてしまうのも仕方ないと言えば仕方ないのかもしれない。ちょっと気持ち悪いけど。

どちらかと言えば、未来への期待に対して恋をしている、とそんな感じ。5年待てばマーティは18歳。その幻想に賭けるか、ALL7.5の現在の彼女トレイシーを取るか。仮にトレイシーを取らずにマーティを取っていたとしたら、5年後、ウィリーは別の女性に対して淡い期待を抱いてまた悩むんだろう。

スケートリンクでの会話で出てきたウィニー・ザ・プーの話が意外と切ない。その前段がありつつ、最後の別れ。

Bye, Marty.

Later, Pooh.

マーティ、好きだ。

ちなみに最後に頬にキスしたウィリーだけど、ナタリーポートマンは知らされていなかったらしい。それであの直後の恥じらいの演技ができるのは素晴らしい。

もう一つちなみに、ユマサーマン登場した時にみんなで合唱したニール・ダイアモンド(Neil Diamond)の “Sweet Caroline” 。

Neil Diamond – Sweet Caroline High Quality neildiamond

一説では、ニールダイアモンドが当時11歳だったジョンFケネディの長女、キャロラインケネディを歌ったものだと言われている。ウィリーがマーティを見るように。それから本作のキャッチフレーズに使われてた

good times never seemed so good

これはこの曲の歌詞。

 

テレビシリーズ

続編というわけではないけど関連したテレビドラマシリーズがある。2007年、2008年の作品、「ホームタウン 〜僕らの再会〜(October Road)」。本作の脚本を務めたスコットローゼンバーグが製作に関わり、こちらでも彼の過去の経験に基づいている。舞台は本作と同じ、マサチューセッツのナイツリッジ。ちなみにローゼンバーグはコン・エアーとか、60セカンズとかの脚本を書いている人。

ビューティフルガールズでは主人公のウィリーはピアニストだったけど、テレビドラマの主人公は作家。彼が書いた自伝的な小説はベストセラーになるのだけど、次作の執筆が進まなくて一時的に故郷に戻ることにした。が、地元の人には歓迎されなかった。勝手に故郷の人たちをネタにしていたから。

みたいな話らしい。ローゼンバーグ本人も、ビューティフルガールズを映画化した後に、やいのやいのそれなりに言われたらしい。というか地元の友達がメディアか何かのターゲットにされて迷惑をかけてしまった模様。そんなことがありつつも、またもや故郷をネタに使うという心の強さ。

ちょっと考えられない。

役者陣は再出演はしていない模様。だけど、オレンジイズニューブラックで活躍中のローラプレポンが主人公の元恋人役をやっているみたいでちょっと興味が湧いた。シーズン2で終わってしまったけど、DVDには話を終わらせる用に10分くらいのシーンが入っているとのこと。

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ちなみに、2004年のジョナサン・トロッパー(Jonathan Tropper)の小説、”The Book of Joe” は、原作だという説が出るほど結構あらすじが似ている。

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ということで

地味にくる映画を見たければこれはいいかも。

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