デス・レース2000年 / Death Race 2000

『デス・レース2000年』予告

40年以上経った今なお愛されるカルトムービー、デスレース2000年。ポールバーテル監督にB級映画の帝王ロジャーコーマン製作、好きな人にはたまらないかと。感動するとか泣きたいとかそういうものを映画に求めるならば、選択肢から外した方が良い。もしそうではなくて特に考えずに超娯楽として映画を楽しめる準備ができているなら、本作は最高の1本になる。

ネタバレありつつ参ります。

 

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概要

基本情報

1975年 アメリカ

監督:ポール・バーテル(Paul Bartel)

原作:イブ・メルキオール(Ib Melchior)

製作:ロジャー・コーマン(Roger Corman)

撮影:タク・フジモト(Tak Fujimoto)

キャスト:
デヴィッド・キャラダイン(David Carradine)/ フランケンシュタイン
シモーネ・グリフィス(Simone Griffeth)/ アニー・スミス
シルヴェスター・スタローン(Sylvester Stallone)/ マシンガン・ジョー
メアリー・ウォロノフ(Mary Woronov)/ カラミティ・ジェーン
ロバータ・コリンズ(Roberta Collins)/ マチルダ
マーティン・コーヴ(Martin Kove)/ ネロ
ルイザ・モリッツ(Louisa Moritz)/ マイラ
ドン・スティール(Don Steele)/ ジュニア・ブルース
ジョイス・ジェイムソン(Joyce Jameson)/ グレイス・パンダー
サンディ・マッカラン(Sandy McCallum)/ 大統領
ジョン・ランディス(John Landis)/ メカニック
ポール・バーテル(Paul Bartel)/ フランケンシュタインの主治医

解説

西暦2000年、全米は恒例の大陸横断レースに湧いていたが、それは走行中に人間を殺していく事でポイントを稼ぐ死のレースだった。もっとも貧弱でもっともユニークな“未来殺人ゲーム”モノで、主演の覆面レーサー、フランケンシュタインにD・キャラダイン、マシンガン・ジョーに「ロッキー」以前のスタローンが扮したロジャー・コーマン作品。

 

B級感を最大限に楽しむ

近未来のディストピア。これだけで好きな人はいると思う。本作では、人を轢き殺すとポイントがもらえるという大陸横断レースに全米が熱狂しているという世界観。どんどん人は死んでいくけど、そこまでグロさはない。

個人的には、ただなんとなく「カルト映画」というだけで好きになってしまいがちなんだけども、本作については見終わった後、

なんでカルト映画になったんだろう

と、そんな感じだった。なぜじわじわと人気を得ていったんだろうと。

世界観?人を殺すことでポイントを得て順位をつけるという非道徳的で、非日常な部分は確かに惹きつけられるものがあるかもしれない。ただの暴力描写という意味では、もっとエグい残酷描写のある映画はいっぱいある。本作ではその暴力描写自体はそこまでひどくはないけど、暴力が認められていて、それが求められているという世界観が良いのかもしれない。

そしてその暴力を認める世界を倒そうとする反体制側。最後には、結局地位を手にするには暴力を行使したし、異議を唱える人には暴力で制裁を加えるという、暴力の連鎖が描かれる。1975年はアメリカンニューシネマの終わりかけの時期だから特に珍しくもないはずだけど。この辺からそろそろスピルバーグが出てくる時期。そう考えると、時代の転換期にいる本作は当時を振り返るのにちょうど良い位置どりをしているのかもしれない。

あとはキャラクターたちか。確かに、主人公がフランケンシュタインという謎の人物だったり、クソみたいなキャラをシルヴェスタースタローンが演じていたり、ナチ絡みのマチルダがいたり、暴君ネロがいたり、カウガールがいたり、物言いが入り込む余地がありすぎるほどキャラが立っていると言えばそうかもしれない。個性的でよろしい。

と、そんな感じなのかな。個人的に何が良かったかと聞かれたら、

おっぱいが見られる。という核心部分は今回は置いといて、

全体的なお粗末さ加減。

お粗末さってのはとても良い意味で。単純に低予算映画、ということではなくて、言葉ではどうにも表現しづらい微妙な感覚を含んでいる。コメディの種類で言えば、オフビートな感じ。その辺のバランス感覚が本作を何回も見させる要因なのかもしれない。

同年に「ローラーボール(Rollerball)」という映画が公開されているのだけど、こちらも近未来を舞台にしていて、かつスポーツを取り扱っている。ローラーボールの方はデスレース2000年よりも、もっと大きいスタジオで作られてお金もかけられているけど、おそらく、デスレース2000年の方が人気がある。そういうの聞くと、ちょっと好きになっちゃうよね。お金かけて撮るのが最上じゃないぞと。

ちなみに、ストーリーのベースはイブ・メルキオール(Ib Melchior)の “The Racer” というショートストーリーが元になっている。とは言っても、キャラクターとか内容は結構変わっている部分があって、大統領とかフランケンシュタインすらいないらしい。

 

関連作品

本作はカルト的な人気も出たこともあって、割と関連する作品がその後作られている。

コミック版の続編

1995年に、”Death Race 2020” という続編を描いたコミックが出ている。どうも、ロジャーコーマンが一時期自分の出版社(?)を持っていたらしく、そこから出されたと。書いたのはPat MillsKevin O’Neillという2人のタッグ。タイトル通り、本作から20年後の2020年が舞台になっていて、フランケンシュタインがレースに戻るらしい。全8回(多分)。

リメイク版

2008年には、ポール・W・S・アンダーソン(Paul W. S. Anderson)監督、製作総指揮にロジャーコーマンが入ってリメイクが作られている。舞台は2012年の模様。ざっとあらすじを見た感じ、世界観のみ踏襲しているっぽい。ジェイソンステイサムが今回のフランケンシュタインとしてレースに参加する。

ちなみにデスレース2000年を見た時に、「レーサーのキャラは色々タイプがいるのに白人しか出てこないなー」って思っていたけど、リメイク版では、その辺は割と満遍なく人種がちりばめられていそう。別に、良いんだけど。

正式な続編

正式な、というか映画としての続編。2017年にロジャーコーマンが製作で、”Death Race 2050” が作られている。劇場公開ではなく、DVDスルーで。内容はよく調べていないけど、ちらっと、失業率99.993% と見えた。なんという。

 

ということで

カルト映画好きは1度は通る道、デスレース2000年。ぜひ。

1977年、ロンハワードの1作目、バニシングIN TURBO(Grand Theft Auto)も同じくカルト車映画っぽいから本作好きな人には良いもしれない。ちなみに本作の監督ポールバーテルも出ている模様。

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