概要
基本情報
1994年 アメリカ
監督:ウディ・アレン(Woody Allen)
脚本:
ウディ・アレン(Woody Allen)
ダグラス・マクグラス(Douglas McGrath)
キャスト:
ジョン・キューザック(John Cusack)/ デヴィッド・シェーン
ダイアン・ウィースト(Dianne Wiest)/ ヘレン・シンクレア
ジェニファー・ティリー(Jennifer Tilly)/ オリーブ・ニール
チャズ・パルミンテリ(Chazz Palminteri)/ チーチ
メアリー=ルイーズ・パーカー(Mary-Louise Parker)/ エレン
ジャック・ウォーデン(Jack Warden)/ ジュリアン・マークス
ジョー・ヴィテレリ(Joe Viterelli)/ ニック・ヴァレンテ
ロブ・ライナー(Rob Reiner)/ シェルドン・フレンダー
トレイシー・ウルマン(Tracey Ullman)/ イーデン・ブレント
ジム・ブロードベント(Jim Broadbent)/ ワーナー・パーセル
ハーヴェイ・ファイアスタイン(Harvey Fierstein)/ シド・ルーミス
ベネイ・ベナッタ(Benay Venuta) / カメオ
解説・あらすじ
20年代のブロードウェイの芝居をめぐって、それに絡んだ様々な人間模様を描いた舞台劇。主人公のデビットは若い劇作家。新作の上演が決まったまではよかったが、彼には次々と思いがけない問題が降りかかる。ギャングの顔役に演技力ゼロのショーガールを押しつけられ、主演女優をめぐる三角関係の愛に悩み、脚本のリライト騒動がおき、やがて殺人事件にも巻き込まれていく……。
批評と受賞歴
Another 20 wins & 22 nominations.
受賞
アカデミー賞:助演女優賞(ダイアン・ウィースト)
ゴールデングローブ賞:助演女優賞(ダイアン・ウィースト)
インディペンデント・スピリット賞:助演女優賞(ダイアン・ウィースト)、助演男優賞(チャズ・パルミンテリ)
ノミネート
アカデミー7部門ノミネート
批評
・Rotten Tomatoes:96 % 7.6 / 10
・Roger Ebert:3.5 / 4
・IMDb:7.5 / 10
至高の舞台裏コメディ
前回、前々回に引き続き、観てからすでに1ヶ月くらい経っているので内容は忘れ気味。ということで観た記録として、そしてちょっとした豆知識くらいで。
本作、面白かった。役者、作家、ギャング、1920年代の風刺を描く。テンポよく、可笑しく、そして時にバイオレンスに。ウディアレン作品っぽく、皮肉さをバシバシ感じる。
とは言っても、全体的なジャンルとしては、「舞台裏コメディ」。
本当の「舞台」の裏側という意味では、そもそもブロードウェイはもちろん、舞台の知識なんて皆無だし、その舞台裏なんて全然知らない。だからそのへんの感覚を心得ている人なら、もう恐ろしく面白いコメディなんだろうと思う。
公開から20年の時を経て、2014年にはウディアレン自らが脚本を手がけてミュージカル化された。評価的には賛否両論、評価が真っ二つに割れたとのこと。
そして日本にも上陸。演出にはあの「勇者ヨシヒコ」シリーズの福田雄一さん、W主演で浦井健治さんと城田優さん。2018年2月上演です。
公式サイトはこちらから
日生劇場 ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』 リンク切れ
では、あまりネタバレせずに参ります。
批評家たちの評価とキャスト
本作を観た批評家たちは、
絶賛。
オスカーも7部門ノミネート、ヘレンを演じたダイアンウィーストが助演女優賞を受賞。ウディアレン作品の中で、本作と1986年の「ハンナとその姉妹」は、最多ノミネートされている作品(のはず)。
ハンナとその姉妹でも、ダイアンウィーストがアカデミー助演女優賞を受賞している。ウディアレンはやっぱり女優を見抜いて開花させる天才なのかもしれない。
そんなダイアンの印象的なセリフ
” don’t speak “
お前だよ。ってね。もう何回も言うから使いたくなってくることでしょう。でも現実でずっと使ってたらヤバい目で見られるのでお気をつけて。
うざい女、オリーブを演じたジェニファーティリーももちろん賞賛されたけど、脚本に口を出してたチーチを演じたチャズパルミンテリも評価された。
チャズパルミンテリは、自分で1人芝居の脚本書いて、その芝居が評判になって映画化されるくらいだから、本作で口を出し係に彼をキャスティングするところがこれまたウディアレンの憎いところ。
タイトルとギャングスタムービー
タイトルの ” Bullets Over Broadway ” の由来は、1950年代のテレビ番組から。Caesar’s Hourというスケッチコメディの番組があって、その中の一本の同名タイトルから取っていると言う噂。
劇中では禁酒法時代という設定もあって、ギャングスタムービーとしての側面もある。って言われてるけど、そこまでギャング感はない。確かに全編わたってギャングの方達が登場はするし、重要な役どころではあるけど、メインはあくまでも舞台裏コメディ。抗争とかを描いているわけではないので、ギャング映画を観たければ別の作品へどうぞ。
禁酒法時代の設定ではあるけど、おそらく最近の舞台裏の皮肉さも込めているんだろうな、どうせ、ウディアレンのことだから。って思わせてくれるような雰囲気がある。
冒頭と最後
結局、色々と面倒なことになって、最後にちゃんと答えが出たかというと、そうでもなかった気がする。(ちょっとあんまり覚えてないってのもあるんだけど。)
注目して欲しいのは、最初と最後のセリフ。
上記のプレビュー見てもらえば聞けると思うけど、最初のセリフは、” I am an artist “。
このセリフがどう変わるのか、そこに至るまでの劇中のドラマを観る、という楽しみ方。
パープリン女
どうでも良いんだけど、字幕で「パープリン女」って単語が出てくる。僕は実際使ったことがないし、使われているところを聞いたこともないし、なんとなく、ふんわりと、パープリンという言葉の存在を知っていたような、知らなかったような、くらいだったけど、意外と伝わるもんだなと、ふと思った。
そもそも僕が見た字幕がいつ付けられた字幕なのか分からないし、時代設定込みで、あえての翻訳なのかもしれないけど、使っちゃいけない言葉もあるだろうから字幕つける人は本当に大変だなと、ふと思った。
ちなみに、パープリンは、「東大一直線」っていう70年代後半の漫画に出てくる造語。意味は、おそらくイメージされている感覚の通りです。
そしてやっぱりこの項目は書く必要なかったなと、ふと思った。
ということで
ブロードウェイと銃弾でした。
ウディアレンならブルージャスミン
舞台裏、バックステージ、そして往年の大女優らへんから連想されるのはサンセット大通り
テレビドラマだけど、メアリールイーズパーカー主演の「Weeds 〜ママの秘密」
なんかもおすすめです。
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