概要
基本情報
1971年 アメリカ
監督:ドン・シーゲル(Don Siegel)
キャスト:
クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)/ ハリー・キャラハン刑事
アンディ・ロビンソン(Andy Robinson)/ スコルピオ
ハリー・ガーディノ(Harry Guardino)/ アル・ブレスラー警部補
レニ・サントーニ(Reni Santoni)/ チコ・ゴンザレス刑事
ジョン・ヴァーノン(John Vernon)/ 市長
ジョン・ラーチ(John Larch)/ マッケイ本部長
ジョン・ミッチャム(John Mitchum)/ フランク・ディジョルジョ刑事
ウッドロー・パーフリー(Woodrow Parfrey)/ ジャフィー
ジョセフ・ソマー(Josef Sommer)/ ロスコ
アルバート・ポップウェル(Albert Popwell)/ 銀行強盗
リン・エジングトン(Lyn Edgington)/ ノーマ
ルース・コバート(Ruth Kobart)/ スクールバス運転手
ロイス・フォーレイカー(Lois Foraker)
ウィリアム・パターソン(William Paterson)/ バナーマン判事
クレイグ・G・ケリー(Craig Kelly)/ レイニーク警部
解説・あらすじ
サンフランシスコ。屋上プールで泳ぐ女性が何者かに狙撃されるという事件が発生した。捜査にあたるのは、いつも汚い仕事をまかされることから“ダーティハリー”なる異名をつけられたハリー・キャラハン刑事。やがて“さそり”と名乗る犯人から「十万ドルを渡さなければ市民を殺し続ける」という脅迫が届いた。予告通り、次々に無差別殺人を繰り返す“さそり”だったが、ハリーと相棒のチコはついに犯人の正体に迫る……。
批評と受賞歴
批評
- Rotten Tomatoes:95% 7.8 / 10
- Roger Ebert:3 / 4
- IMDb:7.8 / 10
かっこいい
記念すべきダーティハリーの第1作目。なんだろう、妙にかっこいい。
“Do You Feel Lucky Punk?”
このセリフは色々と使い回されている。 みんな大好きマスクでも。
ね。まさにダーティーヒーローな感じ。自分の信念のためとは言え、正義をかざして暴力を振るうのは当時も倫理的に問題になったらしいけど。
小ネタメインで参ります。
元ネタと時代背景
本作の犯人スコルピオは、ゾディアック事件が元になっている。そういう犯罪に対して、大衆も辟易していた。
それから、映画が作られた時期は、ミランダ対アリゾナ州事件の判決のちょい後。この判決によって、ミランダ警告が必要になった。ミランダ警告は、逮捕時とか取り調べ時のシーンでよく見かける「黙秘権がー」とか「弁護士がー」って言わなきゃならないやつ。
だから当時のアメリカの人たちはだいぶフラストレーションが溜まっていた。そういう時は、 悪い奴を倒して欲しい って思うよね。そういう背景も大ヒットした要因の1つだと思う。
ダーティハリー症候群
とは言っても、やっぱり警官が権利の度を越して暴力に頼るのはどうかと思うし、そういう状態に陥った警官のことを表す「ダーティハリー症候群」なんて言葉も誕生した。ダーティハリー症候群は以前、「ワイアットアープ症候群」とも呼ばれていて、ワイアットアープは実在した保安官の名前。
着想は西部劇
元々の着想としては、西部劇からきている。だから、ジョンウェイン、ロバートミッチェム、ポールニューマン、スティーブマックイーン、バートランカスターなんかが候補に挙がっていた。スケジュールやらなんやかんやで最終的にイーストウッドになったけど。
でもこれでイーストウッドが演じたことで、イーストウッドとドンシーゲルは世間に広く知られるようになったし、イーストウッドが監督する映画のテーマとしても重要な作品になった。「人を裁くということ」的なね。
そんなイーストウッドが監督としてみせる早撮りの技法は、ドンシーゲル監督がルーツにある。
loose cannon と Vigilante
そんな感じで、イーストウッドのぶっきらぼうで、冷淡で、異端の刑事、って役どころは、その後のイーストウッドの役のスタイルを作ったし、”loose cannon cop“っていうジャンル全体にも影響を与えた。ってどっかに書いてあった。
「ハリーキャラハン」のキャラクターは、ジョン・ミリアス(John Milius)のアイディアがだいぶ入っているらしい。loose cannonってのは、予測不可能とか、制御不能とか、危険人物とか、そういうちょっと危ない人に使うらしい。
ジャンルとしてはもう1つ。 “Vigilante film” ってのも含まれる。Vigilante は自警団。今までの個人的な捉え方としては、「街を守ってくれる人たち」くらいにしか思ってなくて、映画で言えばスーパーヒーローものとかそのへんが思い浮かんでたけど、元々のルーツを辿れば、というか言い方を変えれば、悪さをした人たちを捕まえて制裁を加える人たちのこと。
それはもう容赦なく。
同じジャンルでは「狼よさらば(death wish)」なんかが有名らしい。
後は普通に、アメリカンニューシネマも。
ということで
ダーティハリー。一度はご覧あれ。
アメリカンニューシネマの先駆け 卒業
最後のアメリカンニューシネマ、かつアンチヒーローのタクシードライバー、
Vigilante filmの1つ ウォッチメン
なんかもおすすめです。
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