グラインドハウス / Grindhouse

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概要

基本情報

2007年 アメリカ

監督:
ロバート・ロドリゲス(Robert Rodriguez)
クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)
ロブ・ゾンビ(Rob Zombie)
エドガー・ライト(Edgar Wright)
イーライ・ロス(Eli Roth)
ジャイソン・アイズナー(Jason Eisener)

キャスト:
下記それぞれで記載

解説

“グラインドハウス”とは、B級映画ばかりを2本立て、3本立てで上映する映画館の総称。かつては全米大都市周辺に多く存在し、自他共に認める映画オタクのクエンティン・タランティーノ監督も少年時代に通い詰めていたという。本作はそんな往年のグラインドハウスを現代に甦らせるべく、タランティーノ監督と盟友ロバート・ロドリゲス監督がホラー映画を競作、実際に2本立ての形態で上映された画期的なイベント・ムービー。ロドリゲス監督はゾンビ・アクション「プラネット・テラー」、タランティーノ監督はスラッシャー・ムービー「デス・プルーフ」を製作。また本編と本編の間には実在しない映画の予告編まで流して、当時の雰囲気を忠実に再現。

 

批評と受賞歴

7 wins & 15 nominations

批評

  • Rotten Tomatoes:83 %  7.4 / 10
  • Roger Ebert:2.5 / 4
  • Metascore:77
  • IMDb:7.6 / 10

 

ここで書いていること

ちょっと通常の映画とは趣向の違う2007年の映画、グラインドハウス。この記事では全体の構成とかその辺を。

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それぞれの記事はこちらから

デス・プルーフ in グラインドハウス / Death Proof
ロバートロドリゲスの「プラネットテラー」とクエンティンタランティーノの「デスプルーフ」の短編2本プラスαがセットになっているグラインドハウス。短編2本は拡張されて、それぞれバラでも上映されている。その内今回はタランティーノのデスプルーフ...
プラネット・テラー in グラインドハウス / Planet Terror
ロバートロドリゲスの「プラネットテラー」とクエンティンタランティーノの「デスプルーフ」の短編2本プラスαがセットになっているグラインドハウス。短編2本は拡張されて、それぞれバラでも上映されている。その内今回はロバートロドリゲスのプラネッ...

そもそもグラインドハウスってのは

本作の題名「グラインドハウス」には、その大元となったアメリカの映画館の概念というか形態がある。それについて、wikiから引用すると

エクスプロイテーション映画やB級映画などを2、3本立てで上映していたアメリカの映画館のこと。

とのこと。

それなりに歴史は古くて、デイヴィッド・チャーチ(David Church)という人が、1920年代からグラインドハウスという単語を使い始める。劇場の客引きの人が顧客に劇場に入ってもらうようにする行為を、当時のスラングで “grind” と言っていたみたいで、それを使ったと。

同じ金額で、二本立て、三本立て、オールナイト、なんて感じで劇場にいれるってもんだから、結構拡大していった。けど、少し下の階級の人たちもよく入っていたことと、当時まだまだ流行っていたアメリカンバーレスクと結びついて、ちょっといかがわしい映画を上映しているいかがわしい場所として、誤認されるようになっていった。

1950年から60年くらいに始まるホワイトフライトと、70年代にかけてカラーテレビが徐々に普及し始めたことで、劇場はテレビとの差別化とかテレビにないものを出す必要があった。ということもあって、1970年代からはエクスプロイテーション映画が上映されるようになっていく。

スラッシャーよりのホラー、ジャッロ、カンフー、セクスプロイテーション、ブラックスプロイテーション、カーチェイス、スパゲッティウエスタン、等々。そういう、がっつり前面に押し出してしまうと物議を醸しかねないようなセックス、暴力、奇妙系なもののジャンルの上映が増えていった。

製作予算は少ないB級映画。そのクオリティは様々だけど、後々再評価されるものも多く、カルトムービーとなっていく作品も生まれている。

1980年代になると、例のビデオ戦争が起こったようにホームビデオが一般的になっていったことと、ムービーチャンネルも台頭してきたことによって、グラインドハウスは廃れていくのを余儀なくされた。1980年代終わりから徐々に姿を消して行き、90年代中頃にはアメリカ全土からほぼ消え去る。

 

グラインドハウスの影響度

このグラインドハウスという形態は、映画の他にもビデオゲーム、ドキュメンタリー、テレビ番組にも影響を与えている。「グラインドハウス」と括ったけど、グラインドハウスで上映していたエクスプロイテーション映画のことも含め、だとは思うけど。

代表的なものを。

ドキュメンタリー

グラインドハウスで上映されたようなエクスプロイテーション映画についてJacques Boyreauという人が書いた “the book Portable Grindhouse: The Lost Art of the VHS Box” という本がある。

これを原作として、2010年には American Grindhouse という名前でドキュメンタリー映画として公開された。(日本は未公開の模様)

テレビ番組

Blood Drive というテレビシリーズでは、各エピソードが違うテーマになっているグラインドハウス的な要素があるらしい。

 

本作の構成

上記で書いたようなグラインドハウスの概念。ロバートロドリゲスとタランティーノも思い入れがあったようで、ある時タランティーノが持っていたこちらのポスターをロバートロドリゲスが見て、

1957年の映画、”Dragstrip Girl” と “Rock All Night”

 

ロバートロドリゲス
「ねぇねぇ、前から二本立ての映画撮りたかったんだけど、俺が一本作るからもう一本撮らない?」

タランティーノ
「じゃあグラインドハウスって名前にしよう」

ってことで製作が決定した。シネフィルの彼らはやっぱりグラインドハウスは好きだったらしい。そしてポスターとか予告編が本編より良いものばっかりだったけど、そこから学んだことも多かったと。

しかし、なんとまぁ

どストレートなネーミング。

グラインドハウスの形態っぽく、ロバートロドリゲスとタランティーノの短編2本と、4本(一部では5本)の予告編が入って1つの作品となっている。予告編は本作用のフェイク予告。

 

短編2本

メインは以下の2本。キャスト陣は、2人の過去の作品に出演している人が多い。グラインドハウスが流行っていた1970年代の映画に、本作のルックも合わせている模様。

プラネット・テラー(Planet Terror)

監督:ロバート・ロドリゲス(Robert Rodriguez)

キャスト:
ローズ・マッゴーワン(Rose McGowan)
フレディ・ロドリゲス(Freddy Rodriguez)
ブルース・ウィリス(Bruce Willis)

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デス・プルーフ(Death Proof)

監督:クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)

キャスト:
カート・ラッセル(Kurt Russell)
ヴァネッサ・フェルリト(Vanessa Ferlito)
ゾーイ・ベル(Zoë Bell)

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フェイク予告4本(一部5本)

上記2本のメインの短編の前と間に、本作用に作った予告が挿入されている。元々はロバートロドリゲスとタランティーノの2人で全部の予告編を作るつもりだったらしいんだけど、ロバートロドリゲスがマチェーテの予告編やらロビーカードやらポスターやら作ってタランティーノに見せたら夢中になったと。それから周りのイーライロス、エドガーライトなんかに見せたら、彼らも撮りたいと。アイディアはいっぱいあるんだと。

で、撮らせることにしたらしい。もし自分たちの本編を撮る暇がなかったら、それを本編に使っちゃおうという思惑もありながら。

そんな感じで作られたフェイク予告だけど、その予告編が起点となって本当に作られた作品がマチェーテとホーボーウィズショットガン。この2作は結構人入ったっぽい。

他のフェイク予告を撮った監督も、実際の映画化にも興味があるようで、イーライロス曰く、彼のサンクスギビングと、エドガーライトのドントを二本立てにして、グラインドハウスの続編を撮ろうなんて話もあった模様。

予告編だけでも、それぞれテーマというかスタイルがあって面白いよね。ということで以下予告を紹介。

マチェーテ(Machete)

マチェーテは、本作公開後の2010年に実際に映画化されて、続編まで作られているからご存知の方もいらっしゃるかと。ロバートロドリゲスが監督、ダニー・トレホ、ジェフ・フェイヒー、チーチ・マリンが出演。

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本作グラインドハウスで流れた予告編がどれなのか、ちょっと分からなかったのでいくつか貼る。

ナチ親衛隊の狼女(Werewolf Women of the S.S.)

ロブ・ゾンビ(Rob Zombie)が撮った予告編。ロブゾンビはハロウィンのリメイク、その続編を撮っている人。ニコラス・ケイジとウド・キア主演。

メイキング映像はこちら

 

ドント(Don’t)

エドガー・ライト(Edgar Wright)が撮った予告編。ハマー・フィルム・プロダクション(Hammer Film Productions)っていうロンドンのゴシックホラー映画を撮る制作会社、の1970年代のスタイルを継承している模様。この会社は、フランケンシュタインとか、ドラキュラとか、ミイラとか撮ったところ。

マシュー・マクファディン、ケイティ・メルア、ジェイソン・アイザックスの他、エドガーライト監督作の常連サイモンペグとニックフロスト、声はウィルアーネット。

メイキング映像はこちら

この予告編は、1973年のセルジオ・マルティーノ監督作、“Torso” の予告のパロ?オリジナルの予告では、”Torso” を繰り返し言っていたのに対して、エドガーライト版は “Don’t” を繰り返している。

感謝祭(Thanksgiving)

イーライ・ロス(Eli Roth)が撮った予告編。ホリディ系のスラッシャー系。ジョーダン・ラッド、マイケル・ビーン、ジェフ・フェイヒー、ティム・ロビンスが出演。

メイキング映像はこちら

エグいはエグい。でもちょっとコメディ要素というか、B級感があるところも素晴らしい。

こちらの予告編は、1978年のハロウィン(Halloween)のパロらしい。

ホーボー・ウィズ・ショットガン(Hobo with a Shotgun)

カナダを中心にいくつかの劇場では上記4本に加えて、こちらのフェイク予告も上映された。この予告編は、本作グラインドハウスのフェイク予告のコンテストの優勝作品っぽい。2011年には、マチェーテに続いてフェイク予告から生まれた2本目の映画になった。

 

評価は

批評家の評価はまぁまぁ良かったものの、興行収入的には伸び悩んだ。公開開始した週なんかは、1本目(ロバートロドリゲスの方)が終わったら席を立つ人がいたから、対策としてドアのところに人を立たせて、2本目が始まる案内をさせたなんて話もある。

アメリカでそんな感じだし、他の「グラインドハウス」に馴染みがない国では基本的なコンセプトも分からないだろうってことで、二本立てではなくプラネットテラーとデスプルーフは独立したものとして上映された。

日本では、アメリカ公開版が8日間限定で上映されて、その後は「プラネット・テラー in グラインドハウス」「デス・プルーフ in グラインドハウス」として公開された模様。

 

ということで

フェイク予告含め楽しめるグラインドハウス。ロバートロドリゲスとタランティーノコンビが見たければこれは良いかも。

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この辺が好きなら、

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