ナチュラル・ボーン・キラーズ / Natural Born Killers

 

ナチュラル・ボーン・キラーズ、 ディレクターズカット(字幕版) (プレビュー)
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概要

基本情報

1994年 アメリカ

監督:オリバー・ストーン(Oliver Stone)

原案:クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)

キャスト:
ウディ・ハレルソン(Woody Harrelson)/ ミッキー・ノックス
ジュリエット・ルイス(Juliette Lewis)/ マロリー・ノックス
ロバート・ダウニー・Jr.(Robert Downey, Jr.)/ ウェイン・ゲール
トム・サイズモア(Tom Sizemore)/ ジャック・スキャグネッティ
トミー・リー・ジョーンズ(Tommy Lee Jones)/ ドワイト・マクラスキー
ロドニー・デンジャーフィールド(Rodney Dangerfield)/ エド・ウィルソン
エディ・マックラーグ(Edie McClurg)/ マロリーの母親
ロス・マリンガー(Ross Malinger)/ ケヴィン・ウィルソン
ラッセル・ミーンズ(Russell Means)/ ウォーレン・レッド・クラウド(ナバホ族の人)
ラニー・フラハーティ(Lanny Flaherty)/ アール
エヴァン・ハンドラー(Evan Handler)/ デヴィッド
バルサザール・ゲティ(Balthazar Getty)/ ガソリンスタンド店員
リチャード・ラインバック(Richard Lineback)/ ソニー
カーク・ベルツ(Kirk Baltz)/ ロジャー
スティーヴン・ライト(Steven Wright)/ エミル・ラインゴールド
プルイット・テイラー・ヴィンス(Pruitt Taylor Vince)/ 刑務所の人
ジョー・グリファシ(Joe Grifasi)/ 刑務所の人
マーシャル・ベル(Marshall Bell)/ 刑務所の人
ピーター・クロンビー(Peter Crombie) グランド・L・ブッシュ(Grand L. Bush)
スイス・ロンバルディ(Louis Lombardi)
デイル・ダイ(Dale Dye)/ デイル・リグレー巡査
コリーナ・エバーソン(Cory Everson)
オーラン・ジョーンズ(O-Lan Jones)/ メーベル
中村佐恵美
エイドリアン・ブロディ(Adrien Brody)

解説・あらすじ

衝撃的なセンセーショナルを巻き起こしたオリヴァー・ストーン監督によるラブ・バイオレンス。史上最悪の大量殺人鬼としてアメリカの犯罪史にその名を刻むミッキー&マロリー・ノックス。彼らの軌跡を斬新な映像で綴った大傑作。運命的出会いをしたミッキーとマロリーは、各地で殺害を繰り返しながらルート666を疾走していた。そんな2人をTVが追って報道、それを見ていた民衆は、いつしか彼らをヒーローとして崇め奉るようになってゆく……。

批評と受賞歴

批評

・Rotten Tomatoes:46% 5.7 / 10
・Metacritic:74 / 100
・Roger Ebert:4 / 4

 

これは物議を醸す

うん、そうだね、これは 問題作。面白いよ。さすが8位になったことはある。

物議を醸した映画 8位

Entertainment Weeklyが発表した “Most Controversial Movies Ever” の8位。ちなみに、

  1. パッション(The Passion of the Christ)
  2. 時計じかけのオレンジ(A CLOCKWORK ORANGE)
  3. 華氏911(Fahrenheit 9/11)

ふむ。さらにちなみに、本作ナチュラルボーンキラーズが多大に影響を受けていると言われている「俺たちに明日はない(Bonnie and Clyde)」は21位。そして25位にはディズニーのアラジン。気になる方は調べてみてください。

本作は、まぁ、バイオレンス 要素が問題だろうね。結構過激な感じなので苦手な方はやめておきましょう。でも問題作なんて言われたら、観るしかない。

バイレンスは間違いないけど、それだけの映画かというとそうでもない。

愛。

ずーっと愛がつきまとってる。本作には。あとよく言われてるのはマスメディア関連。その辺も含め今回はネタバレありつつ参ります。以下、ネタバレありますご注意を。

 

 

 

 

 

 

 

冒頭からみせるバイオレンス

冒頭のレストランのシーンをみて私は思いました。

あ、わき毛生えてる。

そんなこと思ってるうちに早速始まった、 全力のバイオレンスが。

見せる、観せる、そして魅せる。オリバーストーン監督(かもしくは撮影監督)が「この映画はルックにこだわった」的な発言をしていたとかしていないとか。そんな話もうんうん聞けてしまうくらい、確かに見た目はすごい注目せざるを得ない。注目させたわりにすごく見辛い感も否めないけども。

ただ、この映画の内容と見た目のいかれ具合は、いかにもカルト的な人気が出そうな匂いがぷんぷんする。そんな作りになっている。それから、 “eeny, meeny, miny, moe” 「どーちーらーにーしーよーおーかーなー」 で、エレファント(記事へ)を思い出していた。

 

シットコム風

前半はミッキーとマロリーの出会い、マロリーの家庭事情も描かれれる。その複雑な、というか劣悪な、というか、機能不全家族の様子をシットコム風にしている。大体この序盤のここらへんまで観たら、 頑張って編集しているなー、感が伝わっていると思う。

上記でも少し触れたけど、見た目にこだわって作ったらしいから、白黒、アニメーション、サブリミナル(的な)ものを色々と混ぜて、印象に残らせてくる。どんどん出してくるから、それがなんだか不安を煽るような気もしてくる。

ちなみに撮影は56日、編集は11ヶ月。カット数は3000。配分。

 

そしてマスメディア要素

マロリーの家で悪事を働いてから愛の逃避行の話にがっつり移るのかと思いきや、マスメディアの描写がこの辺から出てき始める。ニュースを通して事件の様子を知る視聴者たちの態度は、英雄視。視聴率を稼ぐ、話題を作る、そしてそれに振り回される。

あらすじをちらっと見たときにこの辺の問題提起を結構入れてくるかと思っていた。けど、思ったほどじゃなかった。いや、まぁ報道の人は後半びったりいたけども。周りの熱狂ぶりな部分がもっとあるのかと勝手に妄想していた。

ロバートダウニーJr演じるゲールのモデルは、ジェラルド・リベラ(Geraldo Rivera)氏らしい。俺たちニュースキャスター(記事へ)のメインの1人のモデルにもなっている人。

それはそうと、2人が逮捕されるところのレポーターで、おもいっきり日本語しゃべっている人いたよね。あと、世界が熱狂しているところで、「大スキー頑張れー」といった旨の日本語でインタビューされているシーンもあったりする。で?って話だけど。

ちなみに “原案” になってしまったタランティーノが書いた脚本ではゲール、つまり報道側を主軸においていたって話もある模様。

 

原案タランティーノ

最初にタランティーノが脚本を書いてから、権利をプロデューサーに売ったんだって。その後自分で映画化しようと思ったけど、うまくいかなくて、プロデューサーがワーナーに売った。一方でオリヴァーストーンはこの脚本を知って、「これだ」ってなったと。そんな感じ。

1993年のタランティーノのインタビューでは、「別に敵意とかはないし、うまくいくと良いと思っている」的な発言をしている。でも、実際に出来上がったのは、相当脚本をいじられていたようで、タランティーノ激怒 。その後は知らない。

 

インスピレーション

タランティーノがどこまで影響を受けたかはわからないけど、完成した本作に関して言えば、アーサー・ペン(Arthur Penn)俺たちに明日はない(Bonnie and Clyde)が引き合いに出される。

キャラクターの人生を描く、ロードムービー的な要素然り、ハイスピードとスローモーションを組み合わせる編集方法然り。

ボニー&クライドは、1930年代の世界恐慌、社会情勢を潰そうとした。警察に待ち伏せされて屈したところは、個人を超えた体制側の強制力のようなものが表現される。だから、どちらかと言えば悲観的、悲劇的な結末。

対してミッキー&マロリーは、一般大衆に影響を与えるメディアとかのしきたりというか、体制側というか、そういうやつから逃げようとした。そのへんの考えは同じように見える。

でも最終的にはゲールに代表されるマスメディアを象徴的にぶっ壊して、自分たちの理想、かどうかは知らないけど、2人揃って生き延びて、自由になった。だからどちらかと言えば、楽観的というか希望がある感じのラスト。

みたいなことがwikipediaに書いてあった。

 

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(記事へ)の記事を書いていて見つけたけど、本作は、テレンス・マリックのデビュー作、「地獄の逃避行(Badlands)」からも影響を受けているらしい。あらすじを見てみてください。その地獄の逃避行自体は、ネブラスカ州で実際に起きた事件、スタークウェザー=フューゲート事件を元にしているとのこと。

 

模倣犯

カルト人気がありそうな本作、残念ながら模倣犯が出た。何件か。どこまで影響を受けての犯行かは知らない。

参考:List of alleged Natural Born Killers copycat crimes(wikipedia)

あのコロンバイン高校の事件もリストに載っている。ちなみに、最初にMPAA(アメリカ映画協会)がつけたレーティングは、NC-17。17歳以下は鑑賞禁止。「それはちょっと勘弁してください」ってことで、4分くらい削って、R指定になった模様。※R指定は17歳以下は保護者同伴必須。

そんな公開当時から物議を醸していた本作は、UKでは公開延期されている。結局公開されたけど。

 

トリビア その1 コーラのCM

コーラのCMが途中にある。北極グマの。コカコーラ側は映画の全貌を知らずに承諾したけど、映画が完成版を見たときは激怒したらしい。

 

トリビア その2 ちょい役

キャスト調べてたら驚愕した。え?エイドリアンブロディ?あのエイドリアンブロディ?いやいやまさか。

Natural-Born-Killers-Adrien-Brody.jpg

いたー。

クレジットはされなかった模様。その他シーンカットされた方々は下記。

アシュレイ・ジャッド(Ashley Judd)、
レイチェル・ティコティン(Rachel Ticotin)、
デニス・リアリー(Denis Leary)

もはや意味がわからない。

最後に

エンディングの曲で締めましょう。レナードコーエン(Leonarl Cohen)- The Future

つい先日、亡くなられました。

Leonard Cohen – The Future

どうでもいいけど、ウディハレルソンの顔見るとオーウェンウィルソンを思い出す。一緒にいると顔が似てくる説。

 

ということで

ナチュラルボーンキラーズでした。

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