概要
基本情報
2006年 日本
監督:今敏
原作:筒井康隆
音楽:平沢進
声:
林原めぐみ / パプリカ/千葉敦子
江守徹 / 乾精次郎
堀勝之祐 / 島寅太郎
古谷徹 / 時田浩作
大塚明夫 / 粉川利美
山寺宏一 / 小山内守雄
田中秀幸 / あいつ
こおろぎさとみ / 日本人形
阪口大助 / 氷室啓
筒井康隆 / 玖珂
今敏 / 陣内
解説
夢に入り込み、夢を犯すテロリストに立ち向かう夢探偵“パプリカ”の活躍を描くファンタジー・アニメ。日本が誇るsf作家である筒井康隆の同名原作を、『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』の今敏監督が映像化した。ヒロインを人気声優の林原めぐみが務めるほか、古谷徹がこれまでのイメージから一転、巨漢の男性の声に挑んだ。圧倒的な技術力と想像力を惜しみなく投入し暴走する夢のアイデアを具現化したパレードの描写は圧巻。
あらすじ
夢に入り込んで患者の治療を行う装置“dcミニ”が盗まれ、精神医療総合研究所に勤める若きサイコ・セラピストの千葉敦子は、“dcミニ”開発者の時田とともに島所長の元へと集まる。しかし、所長の島が突然、意味不明な内容の演説をとうとうと語り出す。“dcミニ”を盗んだ者たちによる夢の侵略が現実のものとなり始め……。
批評と受賞歴
受賞
ポルト国際映画祭:Critics’ Award
モントリオール・ニューシネマフェスティバル:Public’s Choice Award
ニューポート・ビーチ・フィルム・フェスティバル:Feature Film Award
東京アニメアワード:優秀作品賞劇場映画部門、個人部門音楽賞
批評
・Rotten Tomatoes:84% 7.3 / 10
・Metacritic:81 / 100
・IMDb:7.7 / 10
私の夢が、犯されている – / 夢が侵されていく –
以前、映像編集の調べ物をしてたらパプリカを題材に説明しているサイトがあって、そこで今敏監督の凄さと海外からの評価が書かれていた。それからずっと観よう観ようと思って 早数年。
ようやく。ようやく。
時は来た。
自分のせいだけど。
いくつかの受賞歴が示すように、映像作品として一度は観た方が良い一本。原作の内容が内容なだけに、実写はまぁ無理だろうと言われていたそうな。確かに夢のあやふやさ、ぐちゃぐちゃ具合なんかを描くにはやっぱりアニメーションの方が適している気がする。
さらにそこに自分ではなく他人の夢が割り込んでくるなんてもう。映画だし、映像にこだわらない作り手はいないと思うけど、その中でも本作の映像表現は素晴らしい。もろに視覚に訴えてくるこういうやつ、好き。そもそも夢現な状態、まどろみ、そんな感覚が好き。
キャッチコピーは 「私の夢が、犯されている -/夢が侵されていく-」
存分に味わってください。
原作を読むべきか不要か
元々は筒井康隆さんの同名小説。ただ、今さん自身が「基本的なストーリー以外は全て変えた」と言っているように、映画の上映時間的な兼ね合いもあって、色々と変わっている模様。原作読んでないけど。
原作読んでないけど、十分楽しめた。逆にさくっと観れるこのくらいのボリュームが良かったのかもしれない。でもその兼ね合いのせいかは知らないけど、ストーリー自体は正直、そこまで。
いや設定とかはもちろん面白いけど。話を引っ張る、追いかける意味ではそんなに引き込まれない。ただ次はどんな映像でくるんだろうってワクワク感が素晴らしい。
それから映画好きだったら興奮するオマージュ要素がいくつか仕込まれているらしい。今さん自身のそれまでの作品の示唆があったり。わかりやすいのは粉川がイマジナリーラインの説明するところ。
黒澤明監督登場。
主観と客観、潜在と顕在
割と最初の方で、「あ、これ夢だったんだ」ってなるシーンがある。夢の中へどんどんネストして自分の居場所が分からなくなる。
のめり込むと周りが見えなくなる、自分が見えなくなることは良い意味でも悪い意味でも現実に起こるけど、客観的に自分が今どんな状況でどこで何をしてるかって俯瞰で見れる能力はやっぱり大事だな、と、ふと思う。
突き進むことも大事だけど一旦止まって考えるのも必要だなと。本作でちょこちょこ出るバーのシーン、バーテンダーの声は、今敏監督と筒井康隆さんが務めている。監督と原作者が務めているところがまた意味ありげ。メタ視点のちょっと反則気味な立ち位置にいる2人だけど、彼らがいることで、全体を見渡す手助けになる、と自分は思っている。
あとは千葉とパプリカのように表裏一体な感じ、顕在意識と潜在意識的なことも少なからずある。ちなみにインセプションは本作の影響を受けていると言われている。超私事だけどリックアンドモーティといいドクターストレンジといい、最近インセプションを思い出すことが多い。
ということで
パプリカでした。
影響受けたと言われている インセプション、
ぶっとびアニメ リックアンドモーティ(記事へ)、
すばらしいアニメーション イリュージョニスト(記事へ)
なんかもおすすめです。
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