怒り

 

YouTube
スポンサーリンク

概要

基本情報

2016年 日本
監督:李相日
キャスト:
渡辺謙 / 槙洋平
宮崎あおい / 槙愛子
松山ケンイチ / 田代哲也
池脇千鶴 / 明日香
妻夫木聡 / 藤田優馬
綾野剛 / 大西直人
原日出子 / 藤田貴子
高畑充希 / 薫
広瀬すず / 小宮山泉
森山未來 / 田中信吾
佐久本宝 / 知念辰哉
ピエール瀧 / 南條邦久
三浦貴大 / 北見壮介

解説

『横道世之介』『さよなら渓谷』などの原作者・吉田修一のミステリー小説を、『悪人』でタッグを組んだ李相日監督が映画化。現場に「怒」という血文字が残った未解決殺人事件から1年後の千葉、東京、沖縄を舞台に三つのストーリーが紡がれる群像劇で、前歴不詳の3人の男と出会った人々がその正体をめぐり、疑念と信頼のはざまで揺れる様子を描く。出演には渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、宮崎あおい、妻夫木聡など日本映画界を代表する豪華キャストが集結。

あらすじ

八王子で起きた凄惨(せいさん)な殺人事件の現場には「怒」の血文字が残され、事件から1年が経過しても未解決のままだった。洋平(渡辺謙)と娘の愛子(宮崎あおい)が暮らす千葉の漁港で田代(松山ケンイチ)と名乗る青年が働き始め、やがて彼は愛子と恋仲になる。洋平は娘の幸せを願うも前歴不詳の田代の素性に不安を抱いていた折り、ニュースで報じられる八王子の殺人事件の続報に目が留まり……。

批評とかその辺

出品系

・トロント国際映画祭
・サン・セバスティアン国際映画祭

みんなの評価

・映画.com:4 / 5
・Yahoo!映画:3.8 / 5

 

はじめに

ikari.jpg

ひっさびさに映画館にて。本当はスーサイドスクワッド観ようかと思ってたけど時間が微妙だったのと吹き替えしかやっていなかったから諦める(特段アンチ吹き替えという訳ではないけどコメディに見えてきてしまう)。

本作「怒り」か「シンゴジラ」か「君の名は」で迷い、んー、「シンゴジラ」と「君の名は」は周り(2人)が絶賛してたから、、

よし「怒り」にしよう。

ということで日曜日の夕方の回を鑑賞。観客は10人くらい。ちなみに李相日監督の作品鑑賞履歴は「69」と「フラガール」のみ。

面白かった。

人を信じることの難しさ。それを考えさせてくれますね。そして今、執筆時点では、急激に熱が冷めてきております。でも、面白いは面白いです。

そうそう、本作を観た日の翌日の夜、吉夢を見ました。

ナイフで刺されるという。

なんだか歯切れが悪くてすみません。あとネタバレに入る前に言っておきたい。

群像劇というかオムニバス。

群像劇が何で、オムニバスが何、っていう明確な定義は知らない。感覚的には、群像劇は特定の場所とかコミュニティ内での大人数の関わり合いを描く、オムニバスは別個の物語を1つの作品にしたもの、という感じ。

本作は東京編、千葉編、沖縄編、の3つの物語を1つの作品にしている。それぞれの登場人物たちがお互いに関わりがあるかというと、そんなことない。ただ、昔の事件の犯人らしき人と、関わっている、と。原作は犯人を追っている刑事目線らしいからもう少し群像劇っぽいのかもしれないけど。

どっちでも良いと言えばどっちでも良いんだけどさ、群像劇って紹介されてたりもするから、ロバートアルトマン的な群像劇を期待しているなら、その幻想を最初に打ち砕いておいた方が良いかなと。

ということで、今回はネタバレありで参ります。以下ネタバレあります、ご注意を。

 

メインは犯人探しじゃない、と言いつつも

犯人探しがやりたいことじゃない。本作を観た人なら思い浮かべただろうけど、原作の吉田修一さんはリンゼイ・アン・ホーカーさん殺人事件に インスピレーションを受けたと言っている。でも、事件自体ではなくて、「情報提供を募った時に、なぜ自分の知り合いを疑ってしまったのか、報道に反応する人たちを描きたかった」とおっしゃっている。

とは言いつつも、え、もしかしてこいつが犯人なの?ってもっとどきどきさせる方が、「人を信じる」「人を疑う」ってことが強調されるんじゃないかと思うのだけど。

なんて言いつつ、左利きがー、ホクロがー、っと、攻めてこられた時に

必死で思考を巡らせていたのは自分です。

 

信じる、疑う

会話をすることで、一緒にいることで、相手のことを知っていくことで、信頼は少しずつ、少しずつ溜まっていく。でもそれをぶっ壊すのは一瞬で。結局は自分がどう思うか、どう思われるか次第。

良いヤツでも信頼がなくなることもあれば、悪いヤツでも言動とか見せ方で信じさせることもできる。ちょっとしたことが信頼を揺るがせる。ましてや今回の容疑者はどこからきたのか、何者なのかが全然わからないから。だからこそ、最後まで信じられるかって話になる。

しかし信頼を積もらせていく過程が、本作では早かった。あまりにも。劇中でどのくらい時間が経っているのかわからないけど、すぐ家に住ませたり、同棲始めたり、民宿で働かせてもらったり。あれ、そんなだったっけ?時間がないからしょうがないか。

 

怒り

吉田修一さん曰く、場所を3箇所に絞ってから内容を考えて、3つの話に共通することはなんだろうって考えたら、「怒り」だった、とのこと。

宮崎あおいと渡辺謙はまつけんを信じられなかったこと、疑ってしまったこと、渡辺謙はプラスして宮崎あおいが幸せになることを信じられなかったこと。

妻夫木くんは綾野剛を信じられなかったこと、疑ってしまったこと。

宝くんは、広瀬すずちゃんを守れなかったこと、プラスして森山未來に裏切られたこと。

広瀬すずちゃんは、難しい。レイプ事件そのものと山神の言葉と、宝くんの行動。この辺が色々重なって、怒りの純度的には微妙かもしれない。感情が入り混じりすぎてる。だから演技難しかっただろう、と知ったかぶってみる。

原作では宝くんが事情聴取されている時に、隠したかったレイプ事件を公表したらしい。それに対して宝くんは「泉は関係ない」って言い張ったらしい。自分を捨ててまでのお互いがお互いを思っての行動。素晴らしいじゃない。

この原作の話を知って、映画のラストシーンは、事件のことを公表しようかどうしようか悩みに悩んで頭の中がぐっちゃぐちゃになっちゃってる時の 「広瀬すずの吠え」と受け取ることにした。

森山未來の怒りがちょっと腑に落ちない。民宿で急に暴れるシーンもだし、元同僚から八王子事件の動機を聞くシーンがあるけど、あれいる? すごい中途半端な情報なんだけど。それくらい八王子事件はあくまでも話のきっかけなだけであって中身がなくても良いんだよ、ってこと?

という僕の怒り。

 

東京編の疑問

あの、最初の出会い、ハッテン場(?)。ここで妻夫木くん、「知ってんだよ」みたいなこと言ってた気がするんだけど 聞き間違いかな。何を?って思ったんだけど。普通に初対面ぽいし。そして綾野剛の怯えぶりが謎。事情があって無理やり連れてこられたのかとか考えてたけど 元々ゲイっぽいし。ここで覚醒させられたと考えれば良いのか。謎。いや、謎。

 

涙を頂くシーン

もう1つだけ物申させて頂くと、宮崎あおい(と渡辺謙)と妻夫木くんが泣くシーン、盛り上げるべきところだとは思うんだけど、あんまりぐっとこなかった。最近の自分の好み的には どーんと鬱を撒き散らしてもらった方が良かったかも。

 

山神の考察(他の人の)

どこかの誰かのレビューで、山神が急に態度変わって暴走しだしたのに対して、宝くんがレイプ事件に対して何もできることがない、どこにも怒りの矛先がない、だから自分が悪者になって、怒りの感情を緩和させようとしたんだ、っていう考察があった。

なるほどそういうの面白いなぁと。面白いなぁとは思いつつも、でも誰も幸せにならないなぁと。山神の自己満足で終わっちゃうなぁと思った。でも考え方としては面白いなぁと。

 

豪華キャスト

正直、 どうでもいい。

 

ということで

ちょこちょこと自分の好みとは違う部分もあったはあったけど、全体的には見応えもあり、2時間越えもそんなに長いとは感じなかった。映画の中とは言え、起こったこと、事実に対して、自然と感じ取ったことは大事だと思うし、この状況自分だったらどうするかなーとか考えるのも悪くない。

ということで、「怒り」でした。あんまり関連する作品がないけども、

池脇千鶴さんも出ている「パーマネント野ばら」(記事へ) はなかなか面白かった。

 

コメント