スノーピアサー / 설국열차 / Snowpiercer

この映画の話を聞きながら、僕はあれを思い出していた。そう。ONE PIECEの海列車である。特にティルダスウィントンが演じた強烈なキャラ、メイソンの話を聞きつつ、ラーメン拳法のやつを思い出していた。

と、これが言えれば本作に関して僕が言いたいことはほぼ8割ほどはクリアしたことになるわけだけど、もう少しだけ豆知識含め綴ろうと思う。

批評家からの評価も高いし、TVシリーズもあるし、これから映画を観るという方は、プリクエルの動画があるので、そちらを先に見ても良いかもしれない。

ネタバレありつつ参ります。ご注意を。

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概要

基本情報

2013年 韓国、アメリカ、フランス

監督:ポン・ジュノ(봉준호)

キャスト:
クリス・エヴァンス(Chris Evans)/ カーティス
ソン・ガンホ(송강호)/ ナムグン・ミンス
コ・アソン(고아성)/ ヨナ
ジェイミー・ベル(Jamie Bell)/ エドガー
ジョン・ハート(John Hurt)/ ギリアム
ティルダ・スウィントン(Tilda Swinton)/ メイソン
オクタヴィア・スペンサー(Octavia Spencer)/ ターニャ
エド・ハリス(Ed Harris)/ ウィルフォード
ユエン・ブレムナー(Ewen Bremner)/ アンドリュー
ルーク・パスカリーノ(Luke Pasqualino)/ グレイ
アリソン・ピル(Alison Pill)/ 小学校教師

解説

『母なる証明』などのポン・ジュノ監督が、フランスのコミック「LE TRANSPERCENEIGE」を原作に放つSF作。新たな氷河期が到来した地球を列車でさまよう数少ない人類の生き残りが、支配層と被支配層に分かれて車内で壮絶な戦いを繰り広げていく。『アベンジャーズ』などのクリス・エヴァンス、『JSA』などのソン・ガンホ、『フィクサー』などのティルダ・スウィントンなど、国際色あふれるキャスティングを敢行。彼らが見せる濃密なストーリー展開に加え、絶望の近未来を具現化した鮮烈なビジュアルにも目を奪われる。

あらすじ

地球温暖化を防ぐべく世界中で散布された薬品CW-7により、氷河期が引き起こされてしまった2031年の地球。生き残ったわずかな人類は1台の列車に乗り込み、深い雪に覆われた極寒の大地を行くあてもなく移動していた。車両前方で一部の富裕層が環境変化以前と変わらぬ優雅な暮らしを送る一方、後方に押し込められて奴隷のような扱いを受ける人々の怒りは爆発寸前に。そんな中、カーティス(クリス・エヴァンス)という男が立ち上がり、仲間と共に富裕層から列車を奪おうと反乱を起こす。

受賞歴

33 wins & 103 nominations.

 

RPG的要素

あらすじにあるように、権力も所有物も何もない最後方車両で生きる最下層の主人公が、その構図を打ち砕こうと革命を起こして、神と崇められるエンジンのある先頭車両を目指していく物語。階級社会と言えば大抵、上下に描かれることが多くて、映画的にみると上から階段を転がり落ちていくなんて描写は至る所で見られるけども、本作ではそれを前後での表現としている。面白いし、かなり分かりやすい。

先頭車両にいわゆるラスボスが潜んでいて、そこを目指しているということは、当然のごとく主人公は最終ステージまで行くんだろうなぁと予想はできているけど、敵を倒しつつ1つ1つの車両を進んでいくクエスト感はなかなか面白い。

各車両で描かれる様子もそれぞれ個性的というか、階級の違いが如実に現れていたり、食堂があったり、寿司バーがあったり、学校があったり、普段生きている現実社会に存在するものが詰まっている。水槽が登場したあたりで、なんとなく箱舟感がすごく出た。

1台の列車という、閉鎖的空間なのだけど、そこには人間社会の縮図が描かれている。

ただ前に進むだけではなくて、少し謎解き要素もある。先頭で待ち受けるものは?メッセージが書かれた紙はどこからやってくるのか?連れて行かれた子供は?なぜこんな階級が生まれたのか?仲間を増やし、情報を集め、道具や武器を手にして、それらが少しずつ明らかになっていく。

うん。やっぱりRPGだな。

 

それぞれの持ち場

本作で強烈な印象を残してくれたのは、なんと言ってもティルダスウィントンでしょう。誰が見てもそう感じると思う。元々のティルダスウィントンの顔を知っている人からしたら特に。分厚いメガネに入れ歯をして、変な髪をして。そんなんやってくれるんだ。って。

 

★画像

こいつの話はもういいか。

そんな彼女はかなりイライラさせるキャラクターを演じているけど、前半の演説シーンは、良い。演説で語られるのは、「それぞれの持ち場」。エンジンを作って神になった人がいれば、靴のように最下層で踏ん張る人たちがいると。なかなかえぐい。ただ、彼女が言う言葉は一言一言がこの映画が言いたいことを考えさせてくれる。

メイソンのメイキングシーンはこちらから。

階級という意味での「持ち場」。それ以外にも多様性が見られたのは、人種。ところどころ日本語も聞こえてきたり。この多国籍な感じも、本作のセリフでもあった「閉鎖生態系」を表す。「世界がもし100人の村だったら」の世界だよね。とは言っても、別に人種差別が、とかそういう話はない。むしろそんなものはお構いなしで、戦いの最中に

ハッピーニューイヤー

なんてみんなで言っちゃうある意味仲良し場面も見ることができる。

それはどうでもいいとして。閉鎖的生態系、人間の縮図のこの世界を見て思うのは、不満があったら反乱を起こして、興奮状態に陥ったら結局人を殺してしまうのか、ということ。途中で語られるカーティスの話からもわかるように、同じ階級内でも生き残るために争いは絶えず、下克上をするにしてもバッサバッサ人を殺していく。

競争社会。弱肉強食。今までの人類の歴史を見ても全世界にしても、地域を限定したとしても、規模の大小問わず、戦争はある。革命もある。そんな生きることへの執着というドラマも結構主題にあるのかもしれない。そして最後まで生き残るのは、、

あ。

生存を求めて、より社会に適応するべく変化する、という意味での進化論で言えば、(ネタバレするけど)最後まで残るヨナは謎に透視能力を持っていたりするから、実際に進化した新人類なのだ。

と適当なことを言ってみる。

 

原作「Le Transperceneige」とテレビシリーズ

原作は、フランスのグラフィックノベル「Le Transperceneige」。

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氷河期に突入し、その生き残りが電車に乗っている、という世界観は踏襲しつつも、エドガーやギリアムなんかのキャラはほぼオリジナルだったり、上記でも触れたメイソンも元々のキャラは中年男性だったり、登場キャラについては監督独自の視点を入れ、映画的になるように脚色をしたと。

ちなみにギリアムという名前は、あのテリーギリアムから取っているらしい。確かに、未来世紀ブラジルなんかは、根底のテイスト、権力に対する描き方、不思議な世界観は本作とも似ている。

未来世紀ブラジル / Brazil
概要 基本情報 1985年 イギリス 監督: テリー・ギリアム(Terry Gilliam) 脚本: テリー・ギリアム(Terry Gilliam) トム・ストッパード(Tom Stoppard) チャールズ...

 

それからこの原作、テレビシリーズにもなるらしい。ブラックダリアとかの脚本書いてるジョシュ・フリードマン(Josh Friedman)が中心に製作に関わっていたけど、TV局とのすれ違いから、もう外れているらしい。後任は、オーファン・ブラックとかのグレイム・マンソン(Graeme Manson)。

出演者は、デイビード・ディグス(Daveed Diggs)、ジェニファー・コネリー(Jennifer Connelly)、ミッキー・サムナー(Mickey Sumner)等々とのこと。映画の世界との繋がりは分からないけど、映画だけで描ききれなかった政治的な部分とか列車自体のこととか、もう少し掘り下げるらしい。2018年に開始。

 

希望

最後方車両から映画が始まり、かなり薄暗い中での映像ばかりだったけど、途中で一気に光が差し込むシーンがある。その眩しさがすごく印象的だった。それが希望の光かと思いきや、外の白銀世界の様子を見るとまだ外に出られなさそうだ、と落胆させることにもなる。

ただ、途中でナムグンが話すセリフにもまた希望が含まれる。彼が見た、外は生きられるくらいに寒さが和らいできているという証拠。旅客機と、雪の結晶、そして口には出さなかったもう1つのナムグンが見たものとは?

これは、最後の最後のあのシロクマで良いのだろうか。まぁ、別にこれがシロクマでなかったところで何にも変わらないんだけど。動物が生きているということで、外はやっぱりあったかくなってきていると。

自分を取り巻いているものを破壊したいという衝動は誰もが持っているもの。と監督も言っていた。まっさらなところから新しく始めたい、という思いを表すように、まっさらな白い世界でエンディングを迎える。

 

ということで

細かい説得力の部分は置いといて、なかなか面白かった。

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電車の中での話と言えば、ウェスアンダーソンのダージリン急行とか、

ミッション8ミニッツ

ミッション:8ミニッツ / Source Code
概要 基本情報 2011年 アメリカ・フランス 監督:ダンカン・ジョーンズ キャスト: ジェイク・ジレンホール / コルター・スティーヴンス ミシェル・モナハン / クリスティーナ・ウォーレン ヴェラ・ファー...

なんかもおすすめです。

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