フェリスはある朝突然に / Ferris Bueller’s Day Off

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人生は短い。思う存分楽しまなきゃウソだ。

おっしゃる通り。2回も言われなくても分かっている。分かってはいるけど、気づくと日々忙殺されて楽しむことを忘れて疲れ切ってしまっている、なんて人もいるのではないでしょうか。

本作を見ていると、ふと、あ、人生もっと楽しめるんだって、思い出させてくれる。僕の持論としては、楽しいか楽しくないかは当人の気の持ちようで操作できる、ということ。ちょっとでもやだなぁって思ってると、どうしてもそっちよりの考えが大きくなってしまって引っ張られる。

そんな時に、もっと楽しめる、って無理やりでも思っていると、意外とスッとポジティブ方面へ行けたりするものである。人生に悩んでいて身動きが取れなくなってしまっている人に、こういう考えもあるんだと観てみて欲しい。

ネタバレそこそこに参ります。

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概要

基本情報

1986年 アメリカ

監督:ジョン・ヒューズ(John Hughes)

キャスト:
マシュー・ブロデリック(Matthew Broderick)/ フェリス・ビューラー
アラン・ラック(Alan Ruck)/ キャメロン・フライ
ミア・サラ(Mia Sara)/ スローアン・ピーターソン
ジェニファー・グレイ(Jennifer Grey)/ ジーニー・ビューラー
ジェフリー・ジョーンズ(Jeffrey Jones)/ エドワード・ルーニー(校長)
ライマン・ワード(Lyman Ward)/ トム・ビューラー
シンディ・ピケット(Cindy Pickett)/ ケイティ・ビューラー
エディ・マックラーグ(Edie McClurg)/ グレイス
ベン・スタイン(Ben Stein)/ 経済教師
デル・クローズ(Del Close)/ 英語教師
チャーリー・シーン(Charlie Sheen)/ ドラッギー

解説

快晴のシカゴ。サボりの常習犯である高校生フェリスはこの日、仮病でズル休みすることに。そして、彼の姉や校長をイラ立たせ校内も騒然とする中、フェリスは病欠している金持ちの親友キャメロンを誘い、車で街へと繰り出していく。さらにはフェリスのガールフレンドも学校から誘い出すことに成功。こうして3人は、パレードに飛び入りしてはロックを歌い踊るなど、休日を存分に楽しむのだった。だが一方、フェリスの自宅では、校長や姉がそれぞれフェリスの仮病を暴こうと待ち構え、まだ何も事情を知らない両親も帰宅しようとしていた…。

受賞歴

Nominated for 1 Golden Globe. Another 1 win.

 

映画的な映画

デートの鉄板だから、とかそういうのは抜きにして、映画をみる理由は人それぞれだと思うけど、ざっくり言えば、映画をみて疑似体験をして何かを感じ取れる、ということだと思う。こんな気取った言い方をやめて普段の僕の言い方で言うと、単純に、感動したいとか、スッキリしたいとか、泣きたいとか、その映画を見ることで気分を変えてくれることを願って見る人も多いと思う。そういうジャンル分けをするなら、本作は

前向きになれる映画のトップクラス

だと思う。ある人は本作を自殺防止映画だと言ったように、それくらい人生というのはそんなにかたっ苦しく考える必要はなくて、ある意味適当で良いしもっと楽しめるものだと教えてくれる。いつまでも若くいること、純粋な気持ちで楽しむこと。素直にそう思えることばかりではないけどね。でもその精神は忘れてはいけない。

僕は結構どん底に落とされる鬱展開の映画が好きだったりもするけど、それは悲観的になりたいということではなくて、一旦気持ちを最低ラインまで落とすことで、その跳ね返りで気持ちをもっと高いところに持って行くことができるから。そういう意味では最終目標が同じこの手の映画も好きだったりする。

しかしこれ程のパワーを持っているとは。ただただ、学校サボって、好きな彼女と友達と、野球観戦して、美術館行って、良いもの食べて、帰る、それだけの映画なのに、それだけで、

最高の気分を味わえる。

パレードなんかすごいテンション上がった。

Ferris Bueller's Day Off- Twist & Shout

ただ、ちょっとひねくれた言い方をすれば、問題が全然起こらない。要領よくフェリスがこなしすぎて、些細で微妙な問題はあると言えばあるけど、最終的には都合の良いところへ着地。葛藤と言えるのはキャメロンの方だけど、もう少し彼の闇の深さを描いてくれていると良かったかなと個人的には思う。それをフェリスが手助けすると。

 

プラスの人とマイナスの人、フェリスとキャメロン

物語はフェリスが具合が悪いから学校を休む、と仮病を使うところからスタートする。誰でも仮病くらいは使ったことがあると思うけど、それがバレているかバレていないかは別として、学校を休んで遊んで過ごすのは少しの罪悪感はありつつも、なんだかウキウキして楽しかったよね。

決して、学校休んで遊びまくれ、って主旨ではない。本作がもし、フェリスだけの単独行動だったら話が変わってくるかもしれないけど、これが相棒のキャメロンとの対比で描かれることで、フェリスの考え方というのがだいぶ分かってくる。僕がキャメロンをみて最初に思ったのは、

すごい、なで肩だなー

だったのは置いといて。何でも要領よくこなし、親からも愛され、学校でも人気のある陽の人フェリス。対して、親からは放っておかれ孤独でネガティブな陰の人キャメロン。気づくと後ろ向きなことを考えてしまって、人生を悲観的に見て、それを打破しようと行動したりもしないキャメロンだけど、フェリスと一緒に行動することで新しい風が吹き込まれて成長して行く、と。

だからある意味で真の主人公はキャメロンだったりする。フェリスの行動をキャメロンと一緒に見て行くことで視聴者もフェリスのあの感じに感化されてものすごくポジティブになる。フェリスのあの周りを巻き込んでグッと全体の雰囲気を押し上げる能力は、社会人になって確実に成功するタイプ。というか僕が常々欲している能力。

このフェリスとキャメロンのキャラの違いによって、世界の捉え方が変わってくる。それが目に見えてわかるのが面白いよね。キャメロンが学校を休むとものすごく現実逃避感が出てくるのに対して、フェリスが学校を休むと新しい価値が生まれる気がしてくる不思議。

その違いは、少しでも億劫になっていることに対して、向き合って行動しているかどうかだと思う。最終的にはキャメロンもフェリスに影響されて立ち向かうことを決意した。フェリスのその能力は、他人に自信をもたせてくれる。フェリスのその能力によって、他人は目の前の世界に目覚めて、受け入れることができれば、人生は良いものだと気づく。

ちなみにキャメロンを演じたアランラックは当時29歳。役は17歳だから、その差は一回り。今(撮影当時)の高校生の流行りとかクールなものは分からないし、自分の高校時代を思い返してみても当時からよく分かっていなかった。そしてキャメロンという役と照らし合わせて考えた結果、気づいた。そうか、素の自分のままで良いのかと。

 

自分の世界と他人との比較、フェリスとジーニー

フェリスは人生充実してそうですごく羨ましいなぁ、って僕は思ってしまったけど、映画内でも彼に結構な高レベルで嫉妬しているキャラがいた。妹のジーニー。彼女もキャメロンと視点は違うけど世界が開けた組。

何であいつは良くて私はダメなんだ、自分ばっかり報われないと、いつも思っているジーニー。これは周りからも2人が比較されているってこともあると思うけど、自分自身でもフェリスと自分を比べてしまっていて、ジーニーの判断基準の中心がフェリスになってしまっている、ということ。

フェリスと比べてしまうもんだから、相手よりも上に行こうと思うと、自分を上げるか相手を下げるしかない。彼女が選んだ選択肢はフェリスの仮病を発覚させて評判を落とす方(というと嫌な奴に聞こえるけど)。

でも彼女にも転機が訪れたね。とある人との出会いだけど、まさかのチャーリーシーンとは。

なんか急に映画のテイスト変わった気がしてならない。けど、彼との出会いによって(だと思うけど)、ジーニーは自分の世界に目覚めて、自分の人生を歩むことにしたと。

 

コメディ担当

誰かが言っていたけど、良い映画は笑いの要素がバランスよく織り交ぜられていると。本作でも、敵役でもありコメディ担当の校長が良い感じだった。ああいうスラップスティック感は、あ、やっぱりホームアローン書いた人だって感じがするよね。そして映画感が出る。

スラップスティック場面じゃないけど、スローアンの父のふりをして校長を騙すシーンで、フェリスから電話がかかってきたことを知った時の、「デデーーーーーン」みたいなやつで不覚にも笑ってしまった。

 

続編の噂とテレビシリーズ

映画はヒットしたし、もちろん続編も考えられた。フェリスが大学に入った時代、もしくは社会人になった時代を舞台にして、同じようなことがまた起こると。でもそのアイディアに対して、ジョンヒューズもブロデリックも全然ピンと来なかった。

フェリスの人生の内ある一瞬を照らす映画だし、多分フェリスはいつになってもああいう考えのまま変わらないだろうから、あんまり意味がないと思ったのかもしれない。

2012年スーパーボウルのホンダCR-VのCMでは本作の世界が使われている。これのせいで続編が作られるなんて噂も出たとか出ていないとか。

Official 2012 Honda CR-V Game Day Commercial – "Matthew's Day Off" Extended Version

ちなみに本作とこのCMの最後でも使われている、第4の壁を突破しての最後のセリフ「まだいたの?」はデッドプールなんかでもパロディで使われていたりする。

 

映画としての続編は出ていないけど、1990年にはテレビシリーズ化されている。フェリス役にチャーリー・シュラッター(Charlie Schlatter)、ジーニー役にジェニファー・アニストン(Jennifer Aniston)、キャメロン役にブランドン・ダグラス(Brandon Douglas)、スローアン役にアミ・ドレンツ(Ami Dolenz)、ルーニー校長役にリチャード・リール(Richard Riehle)。

本作のプリクエルを描いている模様。作品自体の評価があんまり良くなかった上に、テイストが似ている Parker Lewis Can’t Lose というドラマが同時期に始まっていて、視聴率を取れなかった。残念ながら1シーズンでキャンセルになっているけど、ジェニファーアニストンの初期のドラマだから貴重かもしれない。

 

完コピしているドミノピザ

ストレンジャーシングスでもなかなか良い立ち位置のスティーブを演じたジョーキーリー(Joe Keery)。彼がドミノピザのCMで本作のシーンをほぼほぼ再現している。

Dominos Pizza "Ferris Bueller" Commercial: Side-By-Side Comparison – Joe Keery

 

ということで

当時から話題になり、現在にも影響を与え続ける偉大な本作、フェリスはある朝突然に。人生は短い。思う存分楽しまなきゃ嘘だ。

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