イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 / The Imitation Game

 

映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』予告編
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概要

基本情報

2014年 イギリス、アメリカ
監督:モルテン・ティルドゥム
キャスト:
ベネディクト・カンバーバッチ
キーラ・ナイトレイ
マシュー・グッド
ロリー・キニア
チャールズ・ダンス
マーク・ストロング

解説

第2次世界大戦時、ドイツの世界最強の暗号エニグマを解き明かした天才数学者アラン・チューリングの波乱の人生を描いた伝記ドラマ。劣勢だったイギリスの勝利に貢献し、その後コンピューターの概念を創造し「人工知能の父」と呼ばれた英雄にもかかわらず、戦後悲劇の運命をたどったチューリングを、ベネディクト・カンバーバッチが熱演する。監督は『ヘッドハンター』などのモルテン・ティルドゥム。キーラ・ナイトレイをはじめ、『イノセント・ガーデン』などのマシュー・グード、『裏切りのサーカス』などのマーク・ストロングら実力派が共演。

あらすじ

第2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)はドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが……。

 

力強く、興奮させ、輝かしく悲観的

これは面白かった。アランチューリングという人がどんな人生を送ったか、どんな人物だったか、どんな功績を残したか。

どこまで忠実に映画で描いているかは置いておいて、この映画を観ることで1人の天才の人生を見ることができる。

Film.com のジェームズ・ロッキという人の批評に同意。

「力強く、興奮させ、輝かしく悲劇的」

 

受賞的なもの

受賞的なものからみていくと、

第87回アカデミー賞  作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、などにノミネート、 脚色賞を受賞
第72回ゴールデングローブ賞 5部門ノミネート
第21回全米映画俳優組合賞 3部門ノミネート
第68回英国アカデミー賞 9部門ノミネート

あまり受賞はしていないみたいだけどね。87回のアカデミーの作品賞は「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」が取った年。ウェス・アンダーソンの「グランド・ブダペスト・ホテル」とか、個人的に好きなリチャードリンクレイターの「6才のボクが、大人になるまで。」とか。アニメ系だとベイマックス。

キャスト的なところ

キャスト的なところでいくと、ベネディクト・カンバーバッチ。この人はほんとに最近よく出るよね、イギリスの映画雑誌「エンパイア」でも「世界一セクシーな映画俳優」に選出。ブームになっちゃってまーす、みたいな記事も出てたしね。

日本では ベネ様 と呼ばれてる、と。なんでも様つければいーってもんじゃねーぞ。

あとはキーラ・ナイトレイ。 若い頃からずっと活躍しっぱなしのため説明不要。

デニストン役のチャールズ・ダンスは 「ラヴェンダーの咲く庭で」で監督と脚本デビューもしている。

 

さて、今回はあまりストーリー通りに追えないけど行きましょう、以下ネタバレあります、ご注意を。

 

 

 

 

 

 

 

生きた時代

いくつかの年代を行き来しながら話は進む。

学生時代
第二次世界大戦中のエニグマ解読の時代
エニグマ解読してその後

と、基本的には第二次世界大戦時の話になる。だから、その時の時代背景とかも気にしながら観るとさらに良い。

当時の同性愛者、女性の扱い・権利の話が結構張り付いているから、そのあたりを知っていた方が観た方がより楽しめると思われる。

人物像

1つ物申すとしたら、日本語の副題「エニグマと天才数学者の秘密」。「エニグマ」って副題に入っちゃってるから、エニグマを解読するにあたっての奮闘記的なものに見られないかな、という疑問。

まぁまぁ確かにエニグマ解読がメインの軸ではあるけど、それだけじゃない。むしろエニグマ解読したキーマンであるアランチューリングという人が、どんな人で、どんな行動をして、波乱の人生を送ったか、そこにドラマがあるのだと思うのだけど。

今ではアランチューリングという人が再評価されて、同性愛者への社会的な理解もされてきている現代。だから解読後の話の方が重要なのではないかと思うのだけど。そして、もともとどんな環境で育ったか、の学生時代もね。

友人の「クリストファー」との出会いによって、アランチューリングがその後の人生にものすごい影響を受けていることが分かる。何気ないシーンではあるけど、暗号を使った本を渡されるシーンがある。それが後々クリストファーとより親密になるきっかけになるのだけど。

その本をクリストファーからもらう時、暗号と同じように、「人は伝えたいことをそのまま伝えずに、ある程度形を変えて言葉にする。」「なんでそんなことすんだよ。」ってそんなニュアンスの会話がある。

アランチューリングはアスペルガー症候群の特徴があったと言われていたから、アランにとってはそのコミュニケーションに関して理解できないところがある。このシーン、ちょっとわかる。自分もコミュニケーションそんな得意じゃないし。

さりげなーいシーンであっても、誰かにとってはすごく深い意味を持つものになる時もあるんだと思った。どんだけ共感できるかってところだと思う。

何が言いたいかというと、この映画ね、結構いろんな要素が入り混じってると思うんです。1人の人生の話なんだからそりゃあそうだよね。

各年代ごとのアランと周囲の人物のとの関係性、その後の影響、アランの行動と考え、1つ1つが濃い。だから、いろんな場面で、いろんなことを考えさせられる。でも疲れない。多分単純に内容が面白いから。

いろいろと感じ取れることが多い映画だと思うので、ぜひ1回観てみてください。しかしまぁ、これをよく2時間弱でまとめたなぁ。なかなか見応えあるのではないでしょうか。で、これを支えているのはベネ様の演技力。

最後はこれで終わろう、

「時として誰も想像しないような人物が想像できない偉業を成し遂げる」

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