公開当時から結構話題になってたジャンゴ。特に日本ではレオ様がえげつない悪役をやるということでもニュースになっていた。
ようやく初鑑賞。やっぱりタランティーノは面白いね。妙に引き込まれる。時間は165分だけどあまり感じさせない。
よく言われるアメリカ人が過去の奴隷制度についてあまり触れられたくないという部分に真っ向からぶつかっていく。
歴史改変ものというわけではないけど、この辺は、タランティーノの前作イングロリアスバスターズでユダヤ人によるナチへの復讐劇をやったように、南北戦争前後の奴隷制度下で、奴隷による支配層への復讐劇を行うと。
そんな感じで、軽くネタバレしつつ参ります。
概要
基本情報
2012年 アメリカ
監督:クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)
キャスト:
ジェイミー・フォックス(Jamie Foxx)/ ジャンゴ・フリーマン
クリストフ・ヴァルツ(Christoph Waltz)/ ドクター・キング・シュルツ
レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)/ カルヴィン・J・キャンディ
ケリー・ワシントン(Kerry Washington)/ ブルームヒルダ・ヴォン・シャフト
サミュエル・L・ジャクソン(Samuel L. Jackson)/ スティーヴン
ドン・ジョンソン(Don Johnson)/ スペンサー・”ビッグ・ダディ”・ベネット
ウォルトン・ゴギンズ(Walton Goggins)/ ビリー・クラッシュ
ジェームズ・レマー(James Remar)/ エース・スペック/ブッチ・プーチ
デニス・クリストファー(Dennis Christopher)/ レオニード・モギー
ローラ・カユーテ(Laura Cayouette)/ ララ・リー・キャンディ=フィッツウィリー
フランコ・ネロ(Franco Nero)/ アメリゴ・バセッピィ
ブルース・ダーン(Bruce Dern)/ カーティス
ジョナ・ヒル(Jonah Hill)/ ランディ
ゾーイ・ベル(Zoë Bell)/ 女性トラッカー
ジェームズ・パークス(James Parks)/ トラッカー
トム・サヴィーニ(Tom Savini)/ トラッカー・チェニー
マイケル・パークス(Michael Parks)/ レクィント・ディッキー鉱業社従業員
クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)/ フランキー
解説
『イングロリアス・バスターズ』などの異才クエンティン・タランティーノ監督が、前作からおよそ3年ぶりに放つ骨太のアクション大作。19世紀中期のアメリカ南部を舞台に、かつて奴隷だった男の妻奪回のし烈な闘いを描き出す。レオナルド・ディカプリオが本作で初めてとなる悪役に挑むほか、ジェイミー・フォックスやクリストフ・ヴァルツら個性と実力を兼ね備えた俳優たちが豪華共演。緊迫感あふれる人間模様と、驚きのストーリー展開に言葉をなくす。
あらすじ
1858年、アメリカ南部。奴隷ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は、賞金稼ぎのキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)の手によって自由の身となる。やがて2人は協力し、次々とお尋ね者たちを取り押さえることに成功する。その後、奴隷市場で離れ離れとなってしまった妻を捜す目的のあったジャンゴは、農園の領主カルヴィン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)のところに妻がいることを突き止め……。
復讐劇
何の復讐劇かと言えば、アメリカが隠したい過去の歴史、奴隷制時代のこと。黒人に対して行われてきたことを描きつつ、その黒人が最後には支配層である白人とその仲間を倒すと。
舞台は1858年。アメリカの歴史の中でも特に語られることの多い南北戦争が1861年からだから、その内戦の伏線というか下地になる事件が数年前から起こっている。
1854年にカンザスネブラスカ法が成立。1857年には、ドレッド・スコット対サンフォード事件。1854年から1861年には、北部と南部の代理戦争となった「血を流すカンザス」と呼ばれる衝突。
特段知っている必要はないのだけど、そういう戦争直前の緊迫した状況という感覚でいれば良いかと。
復讐劇というと重めの話のように聞こえるし、実際、タランティーノお得意の銃撃戦も当然のようにあって、当時奴隷に対してどんな行いがされていたのかもちゃんと描くから、エグい描写もある。
マンディンゴと犬のシーンはもっと長いシーンだったみたいだけど、流石にエグすぎるということでカット。さらにタランティーノすら辛すぎて描けないこともあったらしい。
がしかし、これをちゃんとエンターテイメントとして観られるようにしているのがタランティーノのすごいところ。
やってることはエグいし残酷なんだけど、妙にスカッとするというかね。
悪者になったレオ様
ディカプリオが悪役をやるということでも日本では話題になっていたけど、なんだか、すごく良かった。
「危険人物になれ」的なことをタランティーノからは言われたらしいけど、タランティーノは自分で書いておきながら、今まで作ったキャラの中で唯一キャンディを嫌悪している模様。
酷い言動をするキャンディを頑張って演じたディカプリオ。
キャンディの屋敷でテーブルを叩きつけて血が出るシーンがあったけど、本当にガラスで手を切って血が出ているらしい。
それでも演技を続ける姿に感動して、カットがかかった時にタランティーノ始めスタッフはスタンディングオベーション。
その後の顔に血を塗るシーンはそこから思いついたらしい。
キャンディを演じる上で色々と差別用語を言わなければならなくて、かなり葛藤があったらしい。
演技に躊躇しているとサミュエルLジャクソンが来て、
“Motherfucker, this is just another Tuesday for us”.
と一言。複雑な気分
黒人とドイツ人
タランティーノの前作、イングロリアスバスターズでは、倒されるナチ側にいたクリストフヴァルツが、今回は奴隷解放側で倒す側にいるというのもまた面白い。
1840年代、実際にドイツ系の人がアメリカにやってきて、奴隷制に異議を唱えてぶっ壊そうとしてたムーブメントがあったらしい。
本当かどうかはちゃんと調べていない。
レギュレーターズ
ジョナヒルが途中ポッと出てきてすぐいなくなっていた。最初はもっと大きい役のはずだったけど、スケジュール的に厳しそうとなった模様。でも少しだけ出られる、ってことであのポジションらしい。
そんなジョナヒルが出てくるシーンで、ドンジョンソンが率いる集団がいた。”The Regulators“。
フード被る、被らない、というコントを披露してくれたけど、あれはKKKの前身となる集団ということらしい。
一般的には、KKKは南北戦争終結後の1865年に南部連合の奴隷商人であり退役軍人の人が設立したと言われているけど、実際にはその彼も所属していた「交遊会」が基にあったと言われている。
その初期メンバーは、初期のメンバーはボール紙で補強された顔を覆う三角巾と丈長のガウンを身に着けたと。
ということで
単純に、エンターテイメントとして楽しむことをおすすめする。
タランティーノの前作、イングロリアスバスターズ
ディカプリオの悪役?が最高なウルフオブウォールストリート
でもなんやかんやでタランティーノはパルプフィクション
なんかもおすすめです。
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