概要
基本情報
1999年 アメリカ
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
キャスト:
トム・クルーズ / フランク・T・J・マッキー
フィリップ・ベイカー・ホール / ジミー・ゲイター
メローラ・ウォルターズ / クローディア・ウィルソン・ゲイター
ジェレミー・ブラックマン / スタンリー・スペクター
ウィエイアム・H・メイシー / ドニー・スミス
ジェイソン・ロバーズ / アール・パートリッジ
ジュリアン・ムーア / リンダ・パートリッジ
フィリップ・シーモア・ホフマン / フィル・パルマ
ジョン・C・ライリー / ジム・カーリング
解説
「ブギーナイツ」のポール・トーマス・アンダーソン監督による感動の人間ドラマ。死期を迎えた大物プロデューサー、彼と確執のある息子、プロデューサーの妻とその看護人、ガンを宣告されたtv人気司会者、彼に恨みを持つ娘、娘に恋する警官、過去の栄光にすがる元天才少年など、laに住むさまざまな人間たちの24時間を描く。群像劇のスタイルをとりながら、不可思議な糸でつながってゆく脚本は秀逸。トム・クルーズ出演
群像劇って
群像劇って面白いよね。人と人との繋がりって。誰がどこでどう繋がってるか、意外な接点があったり、全く関係ないところで、誰かの行動が他の誰かの行動に影響与えていたり。世界って狭いなぁと思う時もある。
最近はみんな大好きSNSで誰が繋がってるかとか、彼らが何をしてんのかすっごくよくわかるけど。SNS見てても、自分の知り合いが偶然同じ場所にいたりして、面白いなぁと思うし。AとBは自分の知り合いだけど、AとB同士は面識ない、けど同じ時間に同じ場所にいる、みたいなね。
人それぞれドラマがあるけど、自分の人生の物語の主人公は自分だからね、みんながそれぞれ主演している中で、脇役(他人から見たら自分が脇役)と交わる。人生には台本がない。だから好き勝手に動くんだよな、脇役たちが。
で、直接対峙しなくても何かしらの行動が何かしらの今の自分に影響してくることもある。でも好き勝手に動くからこそ「偶然」にドラマチックに物事が起きる。
あ、なんか説教くさい話に逸れそうだからもう辞める。ただ自分が言いたかったのは、 群像劇ってなんか面白い ってだけだから。最初にこの映画を観て、思ったのはただそれだけだった。
でもラストシーンとか哲学的な意味も何かあるんだろうなぁと思って、色々と解説を読んだりして今思っているのは、
群像劇ってなんか面白い。
結局これである。
ここからネタバレありますんでご注意を。
意味を考える場所
冒頭の3つの偶然な不思議な話とか、カエルが降るところとか、 黒人少年のラップの意味とか、「82」っていう数字とか。色々と考えなければならない箇所が多くてね。
でもさすがに、3時間をもう一回、はさすがにできなかったから、ファンたちが解説をしてくれているのを解答として読ませてもらいました。読解力がある人ってやっぱすごいね。たぶん、この映画を好きな人って、そういう隠された意味とか裏付けを知ってさらに好きになっていると思う。
で、そういうのを読んで理解した上での感想がこれ。
群像劇が
もう良いか。
ということで、 何に惹かれるかは人それぞれだけど、これは一回は観ることをオススメします。もうね、それぞれのエピソードが重い。でもそれが絡み合っていくのが面白い。
内容の解説は他のサイトを見てもらうとして。どうでも良いことを書き連ねて終わります。
タイトル「マグノリア / Magnolia」
マグノリアって花の名前で、モクレンのこと。モクレンの花言葉は 「love of nature(自然への愛)」 「nobility(崇高)」 「perseverance(忍耐)」 「dignity(威厳)」。
へぇー、としか言いようがない。
タイトルの由来は、カリフォルニア州サンフェルナンド・バレーにある「マグノリアストリート」を舞台にしているから。との話があるけど、
実際は監督のポールトーマスアンダーソン(以下PTA)曰く、
「語感が好き」
うむ。シンプルでよろしい。PTAが脚本書く前から何となく頭ん中にmagnoliaってイメージがあったんだって。脚本書きつつ調べてくうちにモクレンの樹皮がガンの治療にも良いっぽいみたいなことを見つけた。で、そのままMagnoliaでいっか、ってなったんだろうね。
ポスター
ポスター?広告用のさ、DVDのパッケージとかにも使われるやつ。なんて言うの?あーゆうの。どうでもいいけど、モクレンが使われてるんだ。
モクレンだよね?でも個人的には
こっちの方が好き。なんか、人が絡み合ってる感じしない?でもflickrにあった
これが一番好き。この上ないネタバレだけど。
相関図
振り返ったときに誰が何だっけ?ってなるから相関図を探した。あんまり良いのがなかった。けど貼る。作りたくはなかった。
軽めのやつ
重めのやつ
元ネタ
元ネタって程でもないんだけど。とりあえず、空から降ってくる現象はファフロツキーズ(fafrotskies)だよね。実際にカエルが降ってきたのは1901年のアメリカ、1981年のギリシャ。あと聖書に記述がある。警官が銃をなくしているのは黒澤明監督の「野良犬」から。
キャスト陣
フィリップシーモアホフマン、メローラウォルターズ、ジョンCライリー、フィリップベイカーホール、ルイスガスマンなどの常連組は大体出ている。
ちなみにマグノリアの記者会見の時、フィリップシーモアホフマン(Philip Seymour Hoffman)のことを(笑いながら)ズタボロに言ってたけど、PTAの1作目から出演している常連。2014年2月のニュースは非常に驚いたけど。r.i.p
ベッドで寝たきりのアールを演じたジェイソンロバーズ(Jason Robards)はこれが最後の作品になってしまいました。PTAが大好きな「メルビンとハワード」にも出ていたようです。
元天才クイズ少年役のウィリアム・H・メイシー(William H. Macy)とテレビ局のスタンリーの面倒見ていた女性シンシア役のフェリシティ・ハフマン(Felicity Huffman)は結婚している。ちなみにデスパレートな妻たちの1エピソードあたりの出演料、40万ドルだって。
くれ。
トムクルーズのインタビュー役のエイプリル・グレイス(April Grace)はちょこちょこと出演。僕の好きなThe O.C.にも出てる。
あ、あの先生?かな?全然覚えてなかった。他にもLOSTとかI Am Legendとかドラマ、映画問わず。
元天才クイズ少年役のウィリアムHメイシーとバーの男を取り合う老人役のヘンリーギブソン(Henry Gibson)って、ナッシュビルで評価された人。ナッシュビルはロバートアルトマン監督の最高傑作の一つと言われてる作品。ロバートアルトマンリスペクトのPTAがなぜヘンリーギブソンを使ったのはオマージュも込めてなのかもしれない。
それからTV番組のディレクターとディレクターアシスタントの2人。ウィリアム・メイポーザー(William Mapother)はトムクルーズの従兄弟。デビューからのすぐの出演作「7月4日に生まれて」「マグノリア」「ミッション:インポッシブル2」「バニラ・スカイ」「マイノリティ・リポート」。バーター感が半端ないけど。今ではLOSTで有名になりました。
それからロバートダウニーシニア(Robert Downey, Sr.)。うん。名前でわかると思うけど、ロバートダウニーJr.のお父さんね。もともとはアンダーグラウンド映画の監督。もちろんロバートダウニーJr.は何本も出てる。観てないけど。
ちなみにSr.もJr.もJr.の長男もみんなドラッグやってます(ました)、と。
雰囲気
これが一番どうでもいいんだけど。 裏サンデーで「モブサイコ100」って漫画がやってんのね。で、主人公の子が感情がグンと高まってある感情が100%になると爆発すんのよ。爆発するというか爆発させるというか。
でさ、マグノリアで天気予報はさむじゃん、どうのこうので、82%、みたいな。でさ、最後カエル降るじゃん?そこで彼らの今までの積もった罪が浄化されてさ、リセットされてスッキリするんだけど。1人は自殺すらさせてもらえず許してもらえなかったけど。
なんかその辺のね、洗い流されていく感覚っていうか、洗われていく感覚っていうか。同じこと2回言ったけど。ふとモブサイコ100を思い出した。
ということで
別のレビューになりそうなので終わります。上映時間はちょっと長いけど、マグノリア、一度観てみてください。
本作を見た人は、PTA作品以外だと、
スパイクジョーンズ監督のマルコヴィッチの穴とか、
キューブリックのアイズワイドシャット
なんかも好きな模様。
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