概要
基本情報
1984年 アメリカ
監督:ジム・ジャームッシュ(Jim Jarmusch)
キャスト:
ジョン・ルーリー(John Lurie)/ ウィリー
エスター・バリント(Eszter Balint)/ エヴァ
リチャード・エドソン(Richard Edson)/ エディー
セシリア・スターク(Cecillia Stark)/ ロッテおばさん
ラメルジー(Rammellzee)/ 金を渡す人
トム・ディチロ(Tom DiCillo) /
サラ・ドライバー(Sara Driver)/ 金をもらいそびれた人。
解説・あらすじ
ジム・ジャームッシュ長編映画第1作。ウィリーはニューヨークに10年住んでいる。ハンガリー出身で本名はベラ・モルナー。ある日彼のもとに、クリーブランドに住むおばさんから、16歳のいとこエヴァがアメリカでの新しい生活を始めるべくブタペストから来るが、自分が急に入院することになってしまった為、10日間ほど預かってほしいという電話がかかってくる……。
批評と受賞歴
受賞
カンヌ国際映画祭カメラ・ドール:新人監督賞
全米映画批評家協会賞
批評
・Rotten Tomatoes:95% 7.5 / 10
・Roger Ebert:4 / 4
・IMDb:7.6 / 10
雰囲気
なるほどね、 ここまで何も起こらないとは。でも好き。
シーンの切り替えの感じ、そして全体を漂うアンニュイな感じ。コーヒー&シガレッツっぽいなー、って思ってたら同じ監督、ジムジャームッシュだった。今回ストーリーに軽く触れるので念のためご注意を。
ジャンルで言えば
アート映画に入るのかな。インディペンデント映画の。英エンパイア誌の「最高の米インディペンデント映画50本(50 Greatest American Independent Movies)」 の16位に選ばれている。
あとはdeadpan。直訳は「無表情」。よく言われるのはバスターキートンの感じなんかがそれにあたる。
それからabsurd。直訳は「不条理」。不条理、不条理、意味を捉えるのがなかなかね。不合理であること、常識に反していること。なんらかのものあるいは人とうまく調和しないこと。哲学的には、世界に意味を見出そうとする人間の努力は最終的に失敗せざるを得ない。
うん。 映画でもちょこちょこと描かれる実存主義とも関連。
ミニマリストの
主人公ウィリー。部屋の中も最小限、かな?でも、よくミニマリストの人が言う、本当に大切なものが見えるとか、そういうのを求めている雰囲気は全くない。ただ面倒くさがっているのか、それなりに満足しているのか、その日その日をなんとなーく生きているだけなのか。。
第2幕の「1年後」でも相変わらずエディと一緒に同じような生活を送っている。それが結構重要なんじゃないかと思う。冒頭ではあんなにエヴァを面倒くさがっていたのに、エヴァがクリーブランドに発つ時ドレスあげたり、クリーブランドまで会いに行ったり。それからラストシーンでも、ね。
対してエヴァは。独自の道を行く。希望を持ってアメリカにやってきたは良いけど、ニューヨークはイマイチ合わないし、クリーブランドは寒くて退屈だし、フロリダは2人がどっか行っちゃって楽しめないし。
2人はハンガリーの人だからね。stranger。その2人とアメリカ人のエディ。「食い違い」「すれ違い」そして「パラダイス」。その辺ですごい掴めそうな気がぷんぷんするんだけど、なんだか消化しきれていない感。その辺がまた。
ヴィム・ヴェンダースから
監督1作目の「パーマネント・バケーション」の受けがよくて、ヴィムヴェンダースの「ことの次第(Der Stand der Dinge)」(1982)の残りのフィルムを譲り受けて、30分撮った。
それが本作の第1幕「新世界」。
役者と音楽
ウィリーを演じたジョンルーリーはミュージシャン。エスターバリントは歌手、バイオリニスト。リチャードエドソンはミュージシャン。ラメルジーはヒップホップ界のパイオニア。
てな感じで監督は本作に限らずミュージシャンを起用することが多かったらしい。
ちなみにトムディチロはコーヒー&シガレッツの撮影を担当。サラドライバーはジムジャームッシュの奥さん。劇中に使われる音楽はスクリーミン・ジェイ・ホーキンス(Screamin Jay Hawkins)の ”I put a spell on you”
なんとなくニーナシモン(Nina Simone)版も。
ということで
ストレンジャーザンパラダイスでした。
deadpan関係のコメディ アーチャー シーズン1(記事へ)、アレステッドディベロプメント シーズン1(記事へ)
本作を検索してる人はこれも検索しているらしい、 サイドウェイ(記事へ)
なんかもおすすめです。
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