概要
基本情報
2011年 アメリカ
監督:リチャード・リンクレイター(Richard Linklater)
脚本:スキップ・ホランズワース(Skip Hollandsworth)、リチャード・リンクレイター
キャスト:
ジャック・ブラック(Jack Black)/ バーニー・ティーディ
シャーリー・マクレーン(Shirley MacLaine)/ マージョリー・ニュージェント
マシュー・マコノヒー(Matthew David McConaughey)/ ダニー・バック・デヴィッドソン
解説
『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラックとリチャード・リンクレイター監督が再びタッグを組んだブラックコメディー。町の有名人が、気難しくて煙 たがられている老女を殺害した、1996年にテキサスで実際に発生した事件のてん末を、当事者を知っている住民たちの証言を挿入しながら描く。ジャックふんするバーニーには心を許していた偏屈者を、オスカー女優シャーリー・マクレーン、バーニーを追及する地方検事を、実力派マシュー・マコノヒーが演じる。
あらすじ
テキサス州の片田舎で葬儀屋を経営するバーニー(ジャック・ブラック)は、誠実な人柄で町の誰からも愛されていた。やがて彼は、金持ちの未亡人マージョリー(シャーリー・マクレーン)と仲良くなり、いつしか銀行口座の管理を任されるほど信頼されるように。しかし、ふとしたことで彼女を殺害してしまったバーニーは、その後もマージョリーが生きているかのように振る舞い……。
批評と受賞歴
受賞
ニューヨーク映画批評家協会賞:助演男優賞(マシュー・マコノヒー)
※「マジック・マイク」と合わせて
オースティン映画批評家協会賞:オースティン映画賞(リチャード・リンクレイター)
ノミネート
ゴッサム・インディペンデント映画賞:作品賞、アンサンブルキャスト賞
インディペンデントスピリット賞:作品賞、主演男優賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞:インディペンデント映画トップ10
放送映画批評家協会賞:コメディ映画賞、コメディ映画男優賞、コメディ映画女優賞
サウスイースタン映画批評家協会賞:ジェーン・ワイアット賞
セントルイス映画批評家協会賞:アートハウス・フェスティバル映画賞
ゴールデングローブ賞:主演男優賞
批評
Rotten Tomatoes:89% ゴールデントマト賞受賞 Metacritic:75%
おい、ジャックブラック
なんとなく、タイトルで観ようと決めた作品。時間も99分で短めだしさくっと観れるな、って思って。だからあらすじすら見なかった。観て思った。
ジャックブラック!
うん。ただ名前を呼んだだけだけど。でも本作のジャックブラックの演技がとても良い。モデルになったバーニーさんのことは全く知らないけど、どんな人物だったか、それをジャックブラックの演技を通して、きっちり伝わってくる。
そしてジャックブラックの演技にプラスして、周りの人々の証言をドキュメンタリーチックに演出するリチャードリンクレイター。観ている側は完全にバーニー寄りにさせられるように巧妙に仕掛けられている。操られているとわかっていてもジャックブラックに引き込まれる。
ちなみに僕はこのおっさんのビフォアシリーズが大好きだ。
何にも起こらないけど。
まだ観たことない方がいればぜひご覧いただきたい。ビフォアシリーズ。今は3部作だけど2022年あたりには4作目が、もしかしたらくるかもしれない。
ぜひご覧いただきたい、
なんーにも起こらないけど。
話がそれましたが。今回は小ネタメインで書いていきます。
実話を基にした映画
アメリカのテキサス州カーセッジで起こった1998年の実際の事件。スキップ・ホランズワースって人が書いたTexas Monthly Magazineの記事を基にしている。モデルになったバーニー・ティイード(Bernie Tiede)さんも映画のエンドクレジットでちらっと出てくる。
ティイード。発音とカタカナの書き方が合ってるかは知らない。
実際のバーニーとマージョリーはこちら。
批評家たちと地元の人たちの反応
リチャードリンクレイターは、本作では徹底的にバーニー側の立場にたって描いている。批評家たちからは比較的ポジティブな意見が多い。ただ、地元の人たちからしたら、その土地で実際にあった事件。絶対に他人事じゃない。
だから、 コメディなんかにすんじゃないよ、こんなん笑えないよ って意見もある。それは自然に出てくる意見で当然な反応だとも思う。そしてマージョリーの家族も同様。
映画の中ではマージョリーとは疎遠になってたけど、たとえ疎遠になってたとしても、家族が殺された心境は計り知れない。
Hawthorn Funeral Home っていうバーニーが働いていたと思われる斎場のオーナーさんは、ここの名前を使ってほしくないって言っていたらしい。身近な事件だしブラックコメディに使ってほしくないと。
ちなみにマージョリーの甥は本作について「まぁ本当に細かいディテール以外は大体起こったこと通りに書かれている」って言っている。それに対してマージョリーの子供は「そんなこと言ってると法的手段に出るよ」ってな発言もしている模様(翻訳間違っている可能性もあるので悪しからず)。
映画公開後の動きについて
ジョディコール(Jodi Cole)さんという弁護士さんが 本作を観た後に、リチャードリンクレイターと会って、さらに詳しい情報をもらう。刑務所に行ってバーニーさんとも会って、人身保護令状を申請。ちなみにヘイビアス・コーパス(Habeas Corpus)って言うらしい。
で、2014年5月に10,000ドルで保釈。条件はリチャードリンクレイターと住むこと。2015年にはダニー・バック・デヴィッドソン(検事)は第1級殺人は間違いだったと認めて、早期釈放された(翻訳間違っている可能性もあるので悪しからず)。
で、2016年4月に何かあったようなんだけど、うまくウェブページが見れないので見れるようになったら追記予定。
製作陣とキャスト陣
正直、主要キャスト3人のことは必要ないと思うので小ネタ系。
ジャックブラック
2016年6月、ジャックブラックが急死したとのニュースが飛び込んできた。
誤報です、というか虚報です。
ハックされたんだって。しかもジャックブラックの死亡説、初めてじゃない。
・2012年、ニュージーランドで崖から転落死。
・2014年、脳梗塞で亡くなった。
なぜかは知らない。
シャーリーマクレーン
女優業以外がね。自分の神秘体験を描いて、「Out on a Limb(アウト・オン・ア・リム)」って著作は世界でベストセラーになった。内容的には、診療治療家のエドガー・ケイシーの思想、東洋文化、霊・宇宙人と交信するチャネリングとか、もろにニューエイジ思想。
3500年前のアトランティスの戦士だったラムサと兄弟だったんだって。あとあれ、一休さんの最愛の伴侶だったんだって。
南無三。
スキップ・ホランズワース
テキサスマンスリーで事件の記事、本作の脚本を務めたスキップ・ホランズワース。ちなみに最近ベストセラーになった「ミッドナイトアサシン(The Midnight Assassin)」の著者でもある。
ミッドナイトアサシンも実際にテキサス州で起こった事件を元にしている。1885年、Servant Girl Annihilator。
直訳すると、使用人少女絶滅者。
無理がある、これはさすがに無理がある。
アメリカ最古のシリアルキラーと言われている。1888年にイギリスロンドンで起きた猟奇殺人事件の犯人、切り裂きジャック(Jack the Ripper)の真犯人はこの人じゃないかって説もあった。
真犯人は別の人だったらしいけど(DNA鑑定でアーロンコスミンスキーだと判明した)。
ということで
このままいったら脱線度合いがすごくなりそうだから終わります。ぜひご覧ください。
リチャードリンクレイターのバーニーみんなが愛した殺人者。
と、ビフォアシリーズ。
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