マスター・オブ・ゼロ シーズン1 / Master of None SEASON 1

おいおい。待て待て待て。おいおいおい。今までスルーしていてすみませんでした。軽く観られて、かつ面白い。日常感と、なんとも言えない間と、しっとり心を突いてくるくる感じ。オフビート感は完全に僕好み。なんとなく、微妙そうだなぁって思っているのであればそんな考えは切り捨ててさっさと観た方が良い。

 

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概要

基本情報

2015年 アメリカNetflix

原案:
アジズ・アンサリ(Aziz Ansari)
アラン・ヤン(Alan Yang)

キャスト:
アジズ・アンサリ(Aziz Ansari)/ デフ
ノエル・ウェルス(Noël Wells)/ レイチェル
エリック・ウェアハイム(Eric Wareheim)/ アーノルド
ケルヴィン・ユー(Kelvin Yu)/ ブライアン
リナ・ウェイス(Lena Waithe)/ デニース

あらすじ

俳優の仕事も女の子との関係も、ワンランク上を目指したいデフ。頼りになるかは微妙だが、個性的な友達に囲まれて人生は続く。複数の賞を受賞した人気シリーズ。

受賞歴

Won 1 Golden Globe. Another 14 wins & 59 nominations.

 

日常を

なんと言うか。普通なんだけど、この面白さはなんなんだろう。日常的に誰にでも起こり得る出来事を、デフとその周りの人たちの行動や反応なんかを通して、新しい何か、もしくは改めて発見したり理解できる視点、というのが本作の魅了かもしれない。

「家族とは」「子供とは」「親とは」「恋愛とは」「人種とは」「友情とは」「女性の立場」。そんな映画やドラマで描き尽くされた内容を、オフビート感を入れてとある日常として描く。

普段過ごしている生活という意味でもそうだけど、30歳前後で感じる仕事やプライベートでの「人生の岐路」的な悩みは誰でも一度は経験すると思う。まさに僕は今その段階。思うところがないわけがない。

30歳前後でなくても、結構普遍的というか共通の悩みってのはおそらくあると思うけど、そういうものはきっと、いつまで経っても答えが見つからないのかもな、とふと思う。

そんな感じだから、誰が見ても、「あー、わかるわ、その感覚」っていうのがあって、気づくと共感していると。本作見てもわかるけど、結局、自分と素直に向き合って、自分がどうしたいか、どうなりたいのかという気持ちに気づかないと始まらない。僕はすでにシーズン2まで鑑賞は終わっているけど、これはシーズン2まで一貫して描かれている。そしてドラマ内では、デフや周りの人たちは自身で考えて行動するわけだけど、同じような行動を取ることが必要なのかはそれぞれの気持ち次第。答えは自分の中にしかない。

と、ちょっと気持ちわるいありふれたことを言いたくなるそんなドラマ。

なんとなく、自分の軸がぶれてきてるなーとか、自信を失いかけている人には良いかもしれない。ただ、全て上手くいくわけではないからそこは期待はせずに。その辺は妙に現実主義なので。

 

個人的に響いた話

地味にチクチクされたのはエピソード2の親の話。意外と自分の親のことを知らなかったりする。特にアメリカに来ている移民系の人たちはかなり苦労してきているはず。はずなんだけど、なかなか子供にそういう話を聞かせることはない、ってどこかで聞いた。

そんな状況でもなくても、自分の両親がどんな苦労をして今の生活ができているか、それを聞くのはすごく重要なことかも知れない。僕自身、親元を離れて気付けば10年以上。会わないことはないけど、会話の量自体は確実に減っている。うーん。これはなかなか。

もう一つ、最終話付近のレイチェルとの関係。これもね。始めるのに遅すぎることはない、とはその通りな場合もあるけど、何かを決断するのに、それが適した時期なのか、というのはどうしても考えてしまうし、結婚ということに絞ると、本当にこの人なのかってのは、どうしても思ってしまう。

自分のやりたいことを取るか、安泰(ではないかも知れないけど)、身を固めることを取るか。この決断。みんなどうやって決めているんだろうって僕は常々思ってきた。考えすぎとも言われるし、もっと衝動的だったりタイミングの問題とも言われるけど。僕の経験不足もあるのかも知れないけど、どうも腑に落ちる答えが見つからない。

んーー。

 

キャスト関係

メインキャストを見ると、デフはインド系、アーノルドは白人系、ブライアンはアジア系、デニースは黒人系のゲイの女性、とバランスよく配置。人種関係の話はちょこちょこと話題として出てくるから、アメリカではやっぱりまだまだプロトタイプ的な見方もありそうだなと勉強になったり。ま、それは良いとしてざっとキャスト陣を。

デフ役:アジズ・アンサリ

原案と主演をやっているアジズアンサリ。本作は彼の実体験を結構ベースにしているかもしれない。wikipediaを見ると、両親は医学分野で働き、父は消化器学士だったと。コメディアンとして徐々に認知度を上げ、2010年にはMTVムービーアワードの司会をやっている。

てな感じで、彼の今までの経験と、おそらくそこ発信の彼のスタンダップのネタと、彼の出している本 “Modern Romance: An Investigation” から結構引っ張っているらしい。

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その後は色んなコメディ映画製作しているジャドアパトーと知り合った後はアダムサンドラーやセスローゲンとも共演したり、「ピザボーイ」ではジェシーアイゼンバーグと主演をしていたり。

JAY-ZとカニエのこのMVにもちらっと出ていたりする。本当にちらっと。

JAY-Z Kanye West / Oits feat.OTIS REDDING

一番有名なのは、パークス・アンド・レクリエーション(Parks and Recreation)での役。エイミー・ポーラー主演。パークスアンドレクリエーションでも脚本をやっていたアランヤンと一緒に、本作も書いている。

本作マスターオブゼロでゴールデングローブ賞を取ったことで、インド系アメリカ人として、アジア系アメリカ人として初の受賞者となったらしい。シーズン2でだけど。

レイチェル役:ノエル・ウェルズ

女優であり、コメディアンであり、監督であり、脚本家でもある。Noëlと名前をつけられたのは、クリスマスの2日前に生まれたかららしい。大学卒業した2010年頃からスケッチコメディを撮ってCracked.comとかCollegeHumorとかでアップしている。youtubeでもいくつか。

彼女のyoutubeチャンネルで人気の動画。

2013年からはサタデーナイトライブに出演。2017年には彼女が脚本、監督を務めたMr. Rooseveltという映画も撮っている。

予告はこんな感じ。

アーノルド役:エリック・ウェアハイム

彼も俳優であり、監督であり、脚本家であり、ミュージシャンであり、コメディアンでもある。

Tim & Ericというコメディデュオを組んでいる。アダルトスイム枠で、Tom Goes to the Mayorというアニメーションを作ったのが始まり(?)。テイスト的にはこんな感じ。

なんとなく、

オーマイキーを思い出した。

彼らをもっと有名にしたのは、同じくアダルトスイム枠でやった Tim and Eric Awesome Show, Great Job!というスケッチコメディの番組。テイスト的にはこんな感じ。

くだらなすぎて面白そう。。

ブライアン役:ケルヴィン・ユー

本作の製作はアジズアンサリとアランヤン。アジズアンサリはデフ役で出てたけど、アランヤンが本作に投影したのはケルヴィンユーが演じたブライアン。だと思う。ブライアンは台湾系(ケルヴィンユー自身も)だったけど、アランヤンも台湾系。

この人も脚本家でもあるんだけど、最近は Bob’s Burgers のあるエピソードの脚本書いてアニー賞をとったり。

Bob’s Burgersはこんな感じ。

デニース役:リナ・ウェイス

彼女も本作のとあるエピソードで脚本を書いている。その書いたエピソードでエミー賞のOutstanding Writing for a Comedy Series を取って、受賞した初の黒人女性となった。(Thanksgivingのエピソードだからシーズン2でだけど。)

もともとアンサリとアランヤンはデニースの役どころをストレートの白人女性として脚本を書いていたらしい。でもキャスティングディレクターのアリソン・ジョーンズ(Allison Jones)は、ゲイの黒人女性にしようと。で、2人は書き直した。結果、良かったよね、変更して。

デフの両親

デフの両親役は、本当にアンサリの両親がやっているらしい。

 

タイトル

タイトルは、”Jack of all trades, master of none” という言い回しというか諺というか、それから来ていると言われている。weblioで出てきた意味は、「何でもやれる人に優れた芸はない」、「多芸は無芸」、「器用貧乏」。ふむ。僕だ。

 

ということで

気付けばハマっている、そしてシーズン2まで一気見しているマスターオブゼロ。ぜひ。

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僕は見てないけど、”Louie” とか、同じくNetflixの “ラブ” なんかはおんなじようなテイストらしい。

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