サンキュー・スモーキング / Thank You for Smoking

 

Thank you for smoking Trailer
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概要

基本情報

2005年 アメリカ
監督:ジェイソン・ライトマン(Jason Reitman)
キャスト:
アーロン・エッカート(Aaron Edward Eckhart)/ ニック・ネイラー
マリア・ベロ(Maria Bello)/ ポリー・ベイリー
キャメロン・ブライト(Cameron Bright)/ ジョーイ・ネイラー
デヴィッド・ケックナー(David Koechner)/ ボビー・ジェイ・ブリス
ロブ・ロウ(Rob Lowe)/ ジェフ・マゴール
アダム・ブロディ(Adam Brody)/ ジャック・バイン
サム・エリオット(Sam Elliott)/ ローン・ラッチ
ケイティ・ホームズ(Katie Holmes)/ ヘザー・ホロウェイ
ウィリアム・H・メイシー(William H. Macy)/ オートラン・フィニスター上院議員
J・K・シモンズ(J K Simmons)/ BR
ロバート・デュヴァル(Robert Duvall)/ ザ・キャプテン
キム・ディケンズ(Kim Dickens)/ ジル・ネイラー
コニー・レイ(Connie Ray)/ パール
トッド・ルイーゾ(Todd Louiso)/ ロン・グード
ジェフ・ウィッツク(Jeff Witzke)/ 誘拐犯
マリアン・ミューラーリール(Marianne Muellerleile)/ 教師

解説

タバコ業界の宣伝マンの真実に迫る知的エンタテインメント作。得意の話術を武器に世間と渡り合う男の人生の明暗を軽妙な語り口でつづる。口が達者な主人公 を演じるのは『サスペクト・ゼロ』のアーロン・エッカート。ライバル役に『トランスアメリカ』のウィリアム・H・メイシーがふんするなど、曲者俳優たちが 勢ぞろいした。食えない面々が繰り広げる、喫煙を巡る激しい攻防戦の行方に最後まで目が離せない。

あらすじ

タバコ研究アカデミーのPRマン、ニック(アーロン・エッカート)は、日々マスコミ相手に、禁煙VS.喫煙の激戦を繰り広げていた。彼の天敵のフィニス ター上院議院(ウィリアム・H・メイシー)は、タバコのパッケージにドクロ・マークを記載する法案成立を熱望。そんな折、彼は大ボス(ロバート・デュヴァル)の命を受けハリウッドに飛ぶ。

批評と受賞歴

インディペンデント・スピリット賞:脚本賞受賞、主演男優賞ノミネート
ゴールデングローブ賞:作品賞ノミネート、主演男優賞ノミネート

Rotten Tomatoes:86%

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自分で決める

この前書いた「ジュノ」(記事へ)の監督ジェイソンライトマンの長編映画1作目。興行収入的にも批評的にもなかなか評価された。原作の小説の原題は「ニコチン・ウォーズ」。タバコを主題にした作品です。

うん。面白かった。これを観たら憧れると思う。 情報操作の王 に。素晴らしい会話テクニック、議論・交渉テクニック。 一歩間違えれば詐欺師にも見えてしまうけど。英語を勉強したい人は、この作品の脚本で勉強するのもいいかもしれない。

でも、喫煙万歳 的な内容ではない。喫煙シーンもないし。人にはそれぞれ得意なことがあるし、お金を稼がないと生きていけない。ローンのために。

あとはセリフでも言っているけど、

大事なのは、自分で考えて、自分で決めること。

情報過多の今の時代、間違った情報もたくさんある。行動とか考えなんて人から強制されるものではないし、自分で見聞きしたことを自分で考えて、自分の意見を持つこと。それが必要だなぁ、と適当に教訓を考えてみる。

 

thank you for “no” smoking

「禁煙、ご協力ありがとうございます。」が、街中とかそこら辺で見れる言い回し。でも本作のタイトルは “thank you for smoking” 「喫煙、ご協力ありがとうございます。」てな感じ。

あらすじにもあるけど、主人公はタバコ研究アカデミーのPRマン。つまりみんなにタバコを吸ってもらいたい人。健康志向が高まるこのご時世、「タバコは悪だ」の考えが蔓延っている世の中。こんな逆風の中での闘いっぷり。素晴らしい。

特に冒頭のシーン。主人公ニックネイラーがどんな人で、どんな立場で、どんな仕事をしていて、どんな仕事の仕方をするのか。これをパパッと痛快に描くことで一気に引き込まれる。

私も喫煙者ですが、どんどんどんどんどんどんどんどん居場所がなくなっていくのをひしひしと感じております。喫煙所は徐々に減り、外へ外へ追いやられ、値段も上がる。

ニックネイラー曰く、

「喫煙者は今や魔女狩りされている」

確かに。でもやめない。

 

ジャンル:サタイア(satire)

satireというジャンルになるらしい。辞書に載っている意味は「風刺、皮肉」コメディのような笑いの種類ではなくて、笑えないけど、笑っちゃいけないけど、笑うしかない、みたいな茶化し映画。ブラックコメディが近いと思われる。

サタイア映画として有名なのは、スタンリーキューブリックの作品。時計じかけのオレンジ(A CLOCKWORK ORANGE)、 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったかとか。

喫煙に絡んで、1つ風刺画を。

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うっす。

 

親子関係

ニコチン摂りすぎて一服でもしたら死ぬ身体になって、世間からも大々的に叩かれて、うちひしがれていた時、助けてくれたのは息子のジョーイ。ジョーイにとって父親は「」だった。というか「神」になった。

「神」が負けることは許されない。 でも「神」で「父親」という絶対的な存在に対して物申す。それが真剣だからこそ、ニックネイラーの心に響く。

 

ということで

サンキュースモーキングでした。

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