概要
基本情報
2013年 イスラエル・フランス
監督:アリ・フォルマン(Ari Folman)
原作:スタニスワフ・レム(Stanisław Lem)
キャスト:
ロビン・ライト(Robin Wright)/ ロビン・ライト
ハーヴェイ・カイテル(Harvey Keitel)/ アル
ポール・ジアマッティ(Paul Giamatti)/ ドクター・ベイカー
コディ・スミット=マクフィー(Kodi Smit-McPhee)/ アーロン・ライト
ジョン・ハム(Jon Hamm)/ ディラン・トゥルーリナー
ダニー・ヒューストン(Danny Huston)/ ジェフ・グリーン
サミ・ゲイル(Sami Gayle)/ サラ・ライト
マイケル・スタール=デヴィッド(Michael Stahl-David)/ スティーヴ
解説
『戦場でワルツを』などのイスラエルの鬼才アリ・フォルマン監督がメガホンを取り、スタニスワフ・レムのSF小説「泰平ヨンの未来学会議」を基に描いた異色作。実写とアニメーションを見事に織り交ぜ、欲望にまみれた人類がたどる驚異の未来を活写する。本人役で主演を務めるのは、『美しい絵の崩壊』などの演技派女優ロビン・ライト。圧巻の映像によって映し出される、ヒロインが大金と引き換えに手にする思いがけない先行きに言葉を失う。
あらすじ
2014年、俳優の絶頂期の容姿をスキャンし、そのデジタルデータを映画会社が好きなように使って映像を作り出すというビジネスが誕生。40歳を超え、女優としてのピークは過ぎ去ってしまったロビン・ライト(ロビン・ライト)は、子供たちのためにある決断をする。彼女は大金を得る代わりに、最後の仕事として新ビジネスの申し出を受けるが……。
批評と受賞歴
10 wins and 10 nominations
批評
・Rotten Tomatoes:74% 6.6 / 10
・Metacritic:63 / 100
・Roger Ebert:3.5 / 4
・IMDb:6.5 / 10
幻覚か現実か
なんだなんだ、なんだかすごい映画だった。 幻覚か現実か。 そんな世界を実写とアニメーションを織り交ぜて作られる本作。
実写とアニメーションの融合と言っても、ワーナー系のルーニーテューンズとかディズニーの南部の唄的な感じではなくて、実写パートとアニメーションパートに分かれている。(繋ぎ目はちょっと混ざっていたりもする)
1/3は実写、2/3はアニメーションくらいの配分。
実写パートは映画会社との契約うんぬんでのロビンライトの葛藤。対してアニメーションパートは幻覚か現実か、の世界だからもう結構ぐちゃぐちゃしている。
の割に、本筋を見失いそうだけど意外とそうでもない。
そして全体的にはハリウッド風刺が散りばめられている。もう最近の映画ってCG多用して何でも作れちゃうんだって。だから実際に出演してる俳優さんが演じてなくても、その俳優さんが演じてるように見せることができてしまう。
ロビンライトが大金を得るための契約条件は「演技をしないこと」。そうなると表現者としての俳優は。。
で、さらにそこから映画を発展させたものが。。
というのが本作の後半戦。
原作
原作はスタニスワフ・レムの「泰平ヨンの未来学会議(Ze wspomnien Ijona Tichego Kongres futurologiczny)」。一応、「原作」としているけど、ちょっとアイディアを頂いた程度っぽい。頂いた場所もアニメーションパートの方で、少し原作の要素があるくらいらしい。このスタニスワフレムと言う人は 20世紀SF最高の作家の1人と言われる巨匠でソラリスなんかの原作とかを書いている。
おくっちひっとつっにこーもんふったつ
突如巨匠のコントを見たくなった。
ちなみに 「泰平ヨン」の名前の由来は、レムさんがミハイル・ショーロホフ(Михаил Александрович Шолохов)の「静かなるドン(Тихий Дон)」の題名をもじってキャラの名前を決定。
Google翻訳曰く、
「Тихий Дон」はポーランド語で「Cichy Don」。
これをもじって「Tichy Ijon」にした、と。
「Tichy Ijon」は発音的には無理やりカタカナで書くとイョン ティへとかその辺り(っぽい)。そこから名前を日本風にしようと 「泰平ヨン」にしたらしい。
ホロコーストとかナチとか
元ネタ繋がりで。 全体的にホロコーストとかナチの時代も元ネタとしてあるらしい。 ホロコースト映画がどうとかも言っているし。幻覚世界では自分がなりたいものになれるから、科学者はプリーモレーヴィ(Primo Levi)の顔をしてたり、グラーフツェッペリン(Graf Zeppelin)っていう空母が飛んでたり、ドームはフォルクスハレをモチーフにしているというのもどっかで見た。
アニメーションパート
幻覚世界では自分のなりたいものになれる。各々がなりたいものになっている。どっかで見たことあるようなキャラやら神々系やら、ポパイとかベティちゃんとかのフライシャー兄弟の絵のタッチで描かれる。
そして、トムクルーズも。
ということで
変わった映画、コングレス未来学会議でした。
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