宇宙を舞台に主人公が地球を救おうと奮闘する笑いあり涙ありの宇宙アドベンチャー。といった感じか。この文だけを見ても察して頂けるかと思うけど、
まぁ普通。
いや、こうして振り返っているとむしろダメなんじゃないかとも思ってきた。ボージャックホースマンやら、FはFamilyのFやら、ビッグマウスやら、Netflixのアニメはなかなかやるなと思っていて、大好きになったリックアンドモーティとも出会わせてくれたNetflix。
まさかここで裏切ってくるとは。値上げなんかしている場合じゃないぞ。
ネタバレしつつ少し批判目に参りますので以下ご注意を。
概要
基本情報
2018年 アメリカ
原案:オーラン・ロジャース(Olan Rogers)
製作:コナン・オブライエン(Conan O’Brien)
声:
オーラン・ロジャース(Olan Rogers)/ ゲイリー、ムーンケーキ、その他
フレッド・アーミセン(Fred Armisen)/ KVN
トム・ケニー(Tom Kenny)/ ヒュー
デイヴィッド・テナント(David Tennant)/ 暗黒卿
ティカ・サンプター(Tika Sumpter)/ クイン
スティーヴン・ユァン(Steven Yeun)/ リトルカト
コティ・ギャロウェイ(Coty Galloway)/ アボカト
ケイレブ・マクラフリン(Caleb McLaughlin)/ 若い頃のゲイリー
ロン・パールマン(Ron Perlman)/ ジョン・グッドスピード
ジョン・ディマジオ(John DiMaggio)/ 色々
ジーナ・トーレス(Gina Torres)
シャノン・パーサー(Shannon Purser)
キース・デイヴィッド(Keith David)/ ボロ
アンディ・リクター(Andy Richter)
コナン・オブライエン(Conan O’Brien)
トビアス・コナン・トロスト(Tobias Conan Trost)
あらすじ
宇宙船で服役中の青年が出会ったのは、キュートな姿をしながらも星を破壊できるパワーを秘めたエイリアン。そこから宇宙を救うための大冒険が始まる。
夢を掴んだユーチューバー
本アニメの製作者はユーチューバーの Olan Rogers 。元々はBalloonShopという3人組で活動していたけど、彼単独でチャンネルを始める。内容はコメディスケッチやらショートフィルムやら、アニメにしてみたり、といった感じ。100万近いチャンネル登録者数。彼がこうなることを夢見ていたかどうかは知らないけど、自分の作品が認められたいとは思っていたでしょうきっと。
で、本作はその内の一本、2010年の Gary Space をベースにしている(動画的には3パートに分割されている)。レビューをちらちら見た感じ、こちらの方が面白いと言われている。その作品に目をつけたのが製作のコナンオブライエン。ちなみに、元々の Gary Space でも最後にムーンケーキを奪われて終わっている。
2016年のパイロット版はこちら
ベースは保ちつつも結構クインとか顔が違うね。
1本3分くらいの作品を拡大するにあたり、声の担当もなかなか勢揃いとなった。オーランロジャースは引き続きゲイリーとかムーンケーキなんかを担当。ムーンケーキは「チュキティ」って言ってるだけだけど。
どんだけ役者揃いかは基本情報のところを見てもらえば良いのだけど、冷静なヒューの声はスポンジボブの声のトムケニー、Netflixのストレンジャーシングス組からはルーカス役のケイレブくん、バーブ役のシャノンパーサーが参加。
後述するけど、きっと本作に影響を与えているフューチュラマというアニメでも出演したジョンディマジオ、トムケニー、コナンオブライエンも本作で声をやっている。
元ネタたち
僕は宇宙関係の映画とかドラマとかアニメとかは見ている本数が少ないから下手なことは言えないけど、かなりの作品からインスピレーションを受けている模様。
まぁ、まず思うのはスターウォーズだよね。全体的な感じと、暗黒卿というネーミング(訳し方次第だけど)(あとちなみにLord Commanderで検索するとゲームオブスローンズの人が真っ先に出てくる)、ドロイド感、腕を失くす感、そんな感じ。ちなみにオーランロジャースの動画を見ていると、部屋にはスターウォーズのポスターが貼られていたりする。
けどそれよりも、フューチュラマ(Futurama)に似ているらしい。フューチュラマの舞台は、31世紀の崩壊したニューヨークの上に建てられたニューニューヨーク市。他の惑星とも交流があると。
絵の感じはこんな。今では超人気作品。
その他の作品としては、25世紀の宇宙戦士キャプテンロジャース(Buck Rogers)、ミステリーサイエンスシアター3000(Mystery Science Theater 3000)、宇宙船レッド・ドワーフ号(Red Dwarf)等のテレビ番組、Bravest Warriorsというアニメなんかが参考にされている模様。
それから、緑の物体がかわいいフリして実は兵器だった、って設定はリロ&スティッチを思い出すよね。
子供向けか大人向けか
子供向けであろうと大人が見て楽しければ良いし、大人向けであっても子供が見て何かを感じ取ってくれるのであれば全く持って問題ないのだけど、「実は大人向けの作品」なんて言われると世の中の複雑さとか理不尽さとか不条理さが見え隠れするすごい深い内容が根底に潜んでいるのではないか、と期待してしまう。本作はどうかというと、
子供向けと思わせておいて大人向け、と思わせておいて実はただの子供向けだった
というのが僕の考え。後半に行くにつれてシリアスな展開(風)に持って行っているけども、内容的にはベタなことをやって特にいい意味での裏切りがないし薄っぺらい。感動させようとか、しんみりさせようとか、実は深い話なんですって言って欲しい感がすごく出ちゃっている。
主人公のゲイリーが、いつもはふざけているけど仲間を大事にしてクインに一途でやる時はやる、締めるところはきっちり締めるだろ?みたいな妙に主人公すぎるのも、ない。しかも薄っぺらい絆物語で。暗黒卿にしてもすごく微妙。巨人にしてもすごく微妙。各キャラを掘り下げる時間もないから、仲間との関係、クインとの関係、父との関係、敵との関係、それぞれが絶妙な薄っぺらさ。
立ち振る舞いは主人公のそれではある一方で、本当に主人公なのかと思うほど入れ込む魅力も特になく、あーはいはい、そいつはすげぇや、と冷めた目で見てしまう。全体的に雑な感じがなー。目新しい深みのあることも特にないし。鬱なら鬱、ヒーローならヒーローでなんとかしろと。どうも僕は歪んだ大人になってしまったようだ。
コメディとしてのバカな感じはそこまで飛び抜けているわけでもなく。個人的には全然刺さらなかった。まぁ、笑いのセンスは人それぞれだから良いんだけど。ちなみに個人的に1番好きだったネタは、暗黒卿がゲイリーのことを、「ザ・ゲイリー」と呼ぶこと。
と今冷静になって気づく。
どうやら僕には笑いのセンスはないようだ。
ちなみに本作はPG-13指定の模様。全然意味がわからない。確かに腕はもげたりするけども、あのくらいの描写で別に目を覆いたくなるような感じでもないし。どうでも良いけど、あの腕がもげたシーン、その後なんの意味もなかったね。もうちょっと活かせば良いのに。言葉使いもFワード使ってたっけ? freaking crap とか Shut your face hole とか、そういう言い回しをしていたようだけど、それもダメなのかな。それにしても、さすがに視聴者を舐めすぎだろと思ってしまう。
気になるシーズン2は
ラストシーンで結局解決できなかったということが唯一の僕の中での救いだった。けど、本当のラストで何かを匂わせるような演出がされた時点でまたテンションは下がった。いらないよそういうの、きっちり終わらせろよ。そんなクリフハンガーを作った甲斐があってか、シーズン2は決定している模様。
2018年5月にはシーズン2が決まり、公開日はまだ未決定だけど、作者曰く2019年だと。そしてシーズン6くらいまでいけるアイディアはあるし終わり方も見えていると。
はーん。
とりあえず、シーズン2もしくはその後のシーズンでタイムトラベルかなんかでアボカトを復活させるとか、そういうことはしないで欲しい。未来のクインが出てきてしまったことで、タイムトラベルが普通にできてしまう環境にあることがわかったし。というか未来のクインのキャラは本当に必要だったのだろうか。それは良いとして、父カトは復活はしないまでもフラッシュバックでメインになるエピソードはくるかもね。父に憧れ、父に追いつき、父を追い越す。そんな共通点のあるゲイリーとリトルカト。これは無理に壊さなくても良い。
ここまで色々と批判めいたことを言ってしまったけど、だからこそ、次のシーズンは改善点がいっぱいある。まだ希望は捨ててはいけない。なんやかんやで続きは見てしまうことになるはず。
ということで
オーランロジャースファンにはたまらないかと。
netflixアニメでは
ボージャックホースマン
ビッグマウス
F is for Family
なんかもおすすめです。
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