ギャング・オブ・ニューヨーク / Gangs of New York

 

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概要

基本情報

2002年 アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)
キャスト: レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)/ アムステルダム・ヴァロン
ダニエル・デイ=ルイス(Daniel Day-Lewis)/ ビル・”ザ・ブッチャー”・カッティング
キャメロン・ディアス(Cameron Diaz)/ ジェニー・エヴァディーン
リーアム・ニーソン(Liam Neeson)/ ヴァロン神父
ジム・ブロードベント(Jim Broadbent)/ ウィリアム・”ボス”・トゥイード
ヘンリー・トーマス(Henry Thomas)/ ジョニー・シロッコ
ブレンダン・グリーソン(Brendan Gleeson)/ ウォルター・”モンク”・マクギン
ゲイリー・ルイス(Gary Lewis)/ マックグロイン
ジョン・C・ライリー(John C. Reilly)/ ハッピー・ジャック・マルラニー
スティーヴン・グレアム(Stephen Graham)
ラリー・ギリアード・Jr(Lawrence Gilliard Jr.)
エディ・マーサン(Eddie Marsan)
アウレック・マッコーウェン(Alec McCowen)
デヴィッド・ヘミングス(David Hemmings)
カーラ・シーモア(Cara Seymour)
ロジャー・アッシュトン・グリフィス(Roger Ashton-Griffiths)
バルバラ・ブーシェ(Barbara Bouchet)
マイケル・バーン(Michael Byrne)
ジョン・セッションズ(John Sessions)

解説・あらすじ

1846年、ニューヨークのファイブ・ポインツでは、アメリカ生まれの住人たちの組織“ネイティブズ”とアイルランド移民たちの組織“デッド・ラビッツ” が対立している。幼少のアムステルダムは、神父でデッド・ラビッツのボスである父親を敵のボス、ビリーに殺された。アムステルダムは投獄され、復讐を誓い ながら15年の歳月が過ぎる。アムステルダムが帰ってきたファイブ・ポインツは、ネイティブズに仕切られ腐敗していた。デッド・ラビッツは既に壊滅してい る。それでもアムステルダムは復讐のため素性を隠しビリーの組織に潜り込んだ。やがてジェニーという女に出会い、次第に惹かれていくのだが…。

批評と受賞歴

受賞

ゴールデングローブ賞:監督賞
シカゴ映画批評家協会賞:主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)、歌曲賞
フロリダ映画批評家協会賞:主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)、監督賞
ロサンゼルス映画批評家協会賞:主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)
ニューヨーク映画批評家協会賞:主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)
サンディエゴ映画批評家協会賞:主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)

ノミネート

アカデミー賞:作品賞、監督賞、美術賞、主演男優賞、撮影賞、衣裳デザイン賞、編集賞、音響賞、脚本賞
ゴールデングローブ賞:作品賞、主演男優賞、助演女優賞

他相当数。

批評

  • Rotten Tomatoes:75%
  • Metacritic:72 / 100
  • Roger Ebert:3 / 4

 

アメリカとは。

いやぁ。

長い。

もはやインターミッション入ってもおかしくないレベル。いらないけど。とりあえず言いたいことは、

観るなら寝るな、寝るなら観るな。

観るにはそれなりの覚悟がいる。上映時間然り、時代背景然り、

半端な観方は許してはくれない。

予備知識を入れておいた方が確実に良い。人種のるつぼの始まりと言えるアメリカに移民ががんがん入ってきた時代。当然のごとく民族、宗教を交えた戦いになる。

ということで、予備知識メインで参ります。

 

 

 

アメリカへの移民

初期段階で入ってきた西欧、北欧系の人たちの多くはプロテスタント系で、自由を求めて新しい土地にやってきた人たち。1810年頃からさらに増える。この人たちが本作でいうところの「ネイティブス」。

彼らの対抗勢力がアイルランド系の人たち。1845年にアイルランドでジャガイモ飢饉が起こって、これはやばいってことでアメリカへ渡ってきた。というか追い出されたというか。彼らの多くはカトリック系。

要は、

「WASP VS アイリッシュ」 の構図。

WASPというのは「ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント」の略で、 白人エリート支配層の保守派 とwikipediaで言ってた。まさにこの映画で描かれる競争関係にあったアイリッシュカトリックの人たちによって使われた言葉。

英国系の人たちはプロテスタント、アイリッシュはカトリックだから、人種対立の他に

「プロテスタント VS カトリック」 の構図もある。とりあえずこれだけ覚えておけば 話に置いていかれることはなくなるはず。

 

ファイブポインツという街

この時代のニューヨークは、まぁでかい産業をやってたこともあって、がんがん資本主義でやってたから、儲ける人はとにかく儲かった。もっと発展させようとしたらさらに労働力がいる。だからどんどん移民を受け入れた結果、現在人種のるつぼと言われる土台ができあがったと。

もっと言うと、オランダが島を発見して貿易し始めた頃から経済効果がものすごかったから、ユダヤ人とかスペイン人とか黒人奴隷を入れまくったのが始まり。かも。もともと良港だってこともあって、この頃から「この地域は化けるぞ」と言われていたとか。

「プライドと偏見」の世界を見てもわかるけど、西欧側は家柄ってのが最高のステータスの貴族社会だったけど、これとは打って変わって誰でも成功できる可能性ってのがアメリカにはあった。まさに アメリカンドリーム

でもかなり大胆な資本主義ってのは格差問題がどうしても出てくる。夢や期待はあっても現実がうまくいくかはまた別。事業に失敗しちゃった人たちが集まってスラム化したのが、本作に出てくる「ファイブポインツ」。

移民が増えすぎると困ることがある。政治体制が整ってないから自然と、考え方とか宗教とか民族とか、そういうコミュニティ、ネットワークごとに集まって派閥やらができあがる。

アイルランド系の人たちも同じ。英国系のプロテスタントがいじわるをするから彼らは団結して自分たちを守る必要がある。そんな感じで結成されたのが、「デッドラビッツ」。と僕は思っている。

 

ニューヨーク徴兵暴動

あともう一つ、アイリッシュへの差別が背景にある暴動も、ストーリーを把握するのには必要かと。劇中でも描かれているけど、徴兵回避のために、それはそれはたくさんのお金が必要だった。だから富裕層への贔屓だってことで暴徒化したと。

ちなみにスコセッシは裕福な家庭の主人役で出ている(らしい)。

 

実在した人物・モデルになった人物

ウィリアム・”ボス”・トゥイード(William M. Tweed)

タマニーホールのボス。

P・T・バーナム(P.T. Barnum)

興行師。

デッドラビッツ(Dead Rabbits)

人というか、アイリッシュアメリカンギャング。

ウィリアム・プール / ビル・ザ・ブッチャー(William Poole / Bill the Butcher)

ウィリアムプール a.k.a ビルザブッチャー ってこと。

バワリーボーイズ(Bowery Boys)

ウィリアムプールがリーダーをしてたギャング。ネイティブアメリカンの集団。

モンク・イーストマン(Monk Eastman)

ファイブポインツギャングと争ったイーストマンズと呼ばれたギャングのボス。

ジャック・シロッコ(Jack Sirocco)

ファイブポインツギャングのメンバー。

 

まぁ、微妙に年代やらが違っていたりはする。

 

本作のテーマ

他の人のサイトをご参考ください。大変よく書かれているサイトが多数。本作を観た後にそのへんを読めばただ長いだけの映画ではないことに気づく。

 

ということで

ギャングオブニューヨークの予備知識系の話でした。

スコセッシとディカプリオなら、ウルフオブウォールストリートとか、

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